ドル円は東京時間で、これまでサポートとして機能していた107円80~90銭を割り込み、NY時間では107円21銭までドル安が進む。中東でも地政学的リスクが高まったことや、NY連銀総裁が利下げに前向きな発言をしたことが材料に。ユーロドルは今回の局面でも、結局1.12を割り込めず反発。ドルが売られたことで、1.1280までユーロが買われる。

 株式市場はさらに利下げ観測が強まったことで、3主要指数は小幅ながら揃って反発。ダウは3ドル高。債券相場は続伸。長期金利は2.02%台まで低下。金は中東での地政学的リスクの高まりから続伸し、原油は4日続落。

7月フィラデルフィア連銀景況指数 → 21.8
新規失業保険申請件数       → 21.6万件
6月景気先行指標総合指数     → -0.3%

ドル/円   107.21 ~ 108.01
ユーロ/ドル 1.1213 ~ 1.1280
ユーロ/円  120.78 ~ 121.14
NYダウ   +3.12  → 27,222.97ドル
GOLD   +4.80  → 1,428.10ドル
WTI    -1.48  → 55.30
米10年国債 -0.021 → 2.024%

本日の注目イベント

日  6月消費者物価指数
独  6月生産者物価指数
欧  ユーロ圏5月経常収支
米  7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米  ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
米  企業決算 → ブラックロック、アメックス
加  カナダ5月小売売上高

 ドル円は108円を挟む展開から一気に円高が進んでいます。昨日の東京タイムでは、日経平均株価が大きく売られ、引け値では422円安となり、これがドルの上値を抑え、安全通貨の円買いを促しました。NYタイム朝方には108円近辺まで戻す場面もありましたが、その後ドルは大きく売られました。

 NY連銀のウイリアムズ総裁は講演で、「各国・地域の中央銀行は経済に問題が生じている場合は、迅速に行動を起こすべきだ」と発言し、利下げに積極的な姿勢をみせました。またこの日は、クラリダFRB副議長がFOXビジネスとのインタビューで、「見通しに対する不確実性が高まっており、景気が下落するのを待ってから行動するのは望ましくないと当局は考えている」と述べたことも、市場の利下げ観測をさらに強めました。これらの発言を受け、今月のFOMCでの利下げ幅は「0.25%引き下げの確率」が54.5%に低下し、「0.5%引き下げの確率」が45.5%(19日午前7時時点)に急騰しています。(ブルームバーグ)

 また中東ホルムズ海峡での地政学的リスクの高まりも投資家の安全志向を高めました。トランプ大統領は昨日ホワイトハウスで、ホルムズ海峡近くで米海軍の強襲揚陸艦「ボクサー」に接近したイランの無人機を「直ちに破壊した」と述べました。説明によりますと、「立ち去るよう求める複数回の警告を無視し、約1000ヤード(約914メートル)と非常に近くまで接近して、艦艇と乗組員の安全を脅かしたというイラン無人機に対し、ボクサーは防衛措置を取った」とトランプ氏は述べています。また米国防総省(ペンタゴン)のスポークスマンも、「ボクサーは国際水域を航行中で、ホルムズ海峡に入ろうとしていたが、一機の無人機が危険な距離まで接近してきたため、同艦艇は防衛措置を取った」と語っています。(ブルームバーグ)今回の行動は、すでに米無人機がイランの攻撃を受けており、その報復との見方もできなくはありませんが、米イラン関係には緊張がさらに高まっています。

 ドル円は下落基調を鮮明にしてきました。この欄でも再三指摘してきたように、円高傾向が顕在化してきたと言えます。目先の予想ですが、まずは107円が心理的なサポートになると見られますが、それほど強固なものではないと思います。仮に107円を割り込むようだと、6月下旬に記録した106円78銭が意識される展開が予想されます。ただ、6月のこの時には米長期金利が1.93%台まで急低下しており、金利低下を手掛かりにドル売りが活発になった経緯があります。現在米長期金利は2.02%台です。米長期金利が2%台を割り込むかどうかも含めて、金利の動向には注目していく必要があります。

 本日のドル円は107-107円80銭程度を予想しますが、今度の日曜日には「参院選」があります。事前予想では政権与党がかなり優勢とのことです。予想通りであれば、政権の安定→アベノミクスへの信認→新たな経済対策の発動、といった連想が働き、週明け下月曜日の株価上昇につながる可能性があります。株価の上昇は一応ドル高要因と見られますので、注意が必要です。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)