米中貿易摩擦の影響もあって、中国の経済成長率が鈍化している。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は7月16日に「中国:2019年4月~6月は6.2%成長に減速」と題したレポート(全5ページ)を発表し、「四半期ベースで6.0%を割り込む」こともあり得るとの見方を示した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆国家統計局によると、2019年4月~6月の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.2%(以下、変化率は前年同月比、前年同期比、前年比)と、1月~3月の6.4%から低下した。2018年1月~3月の6.8%成長を直近のピークとする成長率の低下傾向に歯止めはかかっていない。
 
◆2019年の政府成長率目標は6.0%~6.5%であり、1月~6月の6.3%成長は目標範囲内にある。ただし、もう一段の景気減速が続くと、四半期ベースで6.0%を割り込む可能性が高い。大和総研では、(1)現在大手行で13.5%の預金準備率の引き下げ(1%ptの引き下げで1.5兆元程度の貸出増加が可能)、(2)インフラ投資のさらなる加速、(3)自動車・家電の補助金支給による購入・買い替え促進など、景気テコ入れに打てる手は残されていると考えている。(2)は債務のさらなる増大と将来的な金融リスクを高め、(3)は政策終了後の反動減に警戒が必要となるが、それでも景気底割れ回避を目的に、こうした政策が実施されることになろう。(3)については、厳格化された排ガス基準に適応した自動車、省エネ家電を対象とすれば、環境対策強化という名目が立てやすい。今後の動向が注目される。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)