ドル円は大幅に反発。6月の雇用統計で、雇用者数が予想を大きく上回る伸びを示したことでドル円は108円64銭まで上昇。その後はやや下押しされ、108円40―50銭で越週。ドルが買われたことでユーロドルも下落。1.1208まで売られ、約2週間ぶりのユーロ安水準に。

 株式市場は揃って反落。これまで金利低下を手掛かりに買われていたが、この日は金利が大幅に上昇したことで、売りが先行。ダウは5日ぶりに43ドル安。債券相場は大幅に反落。長期金利は2.03%台へと急騰。金は大幅安。原油は4日続伸。

6月失業率        → 3.7%
6月非農業部門雇用者数  → 22.4万人
6月平均時給 (前月比) → 0.2%
6月平均時給 (前年比) → 3.1%
6月労働参加率      → 62.9%

ドル/円   108.07 ~ 108.64
ユーロ/ドル 1.1208 ~ 1.1270
ユーロ/円  121.63 ~ 121.93
NYダウ   -43.88 → 26,922.12ドル
GOLD   -20.80 → 1,400.10ドル
WTI    +0.17  → 57,51
米10年国債 +0.084 → 2.034%

本日の注目イベント

日  6月景気ウオッチャー調査
日  5月貿易収支
独  5月鉱工業生産
米  5月消費者信用残高

 金曜日のこの欄で、雇用統計が良ければ株が売られ長期金利が上昇し、ドル円が反発することも予想されると書きましたが、結果は非農業部門雇用者数が予想の「16万人」に対して、「22.4万人」と、前月から15万人も増え、予想も大きく上回りました。発表直後から「米労働市場はそれほど悪くはない」との見方が広がり、市場は上述のように、これまでの動きの巻き戻しが優勢となり、長期金利は2.03%台まで上昇し、ドル円を108円台半ばまで押し上げました。ただ、失業率は3.7%と予想より1ポイント悪化し、平均時給の方も予想ほど伸びていなかったことで、ドル円はその後やや押し戻されて取り引きを終えています。

 今回の雇用統計を受け、前のめりだった市場の利下げ期待はやや修正されたと思われますが、今月のFOMCでの利下げの可能性にはほとんど影響がないものと思います。先週末に公表された、半期に一度のFRBによる「金融政策報告書」では、経済成長ペースが今年4-6月(第2四半期)に鈍化したとし、過去最長の米景気拡大を維持させるため利下げもあり得るとの姿勢を改めて示しています。(ブルームバーグ)報告書では、FOMCが6月の会合で使った「適切に行動する」との文言を繰り返しており、予防的と見られている利下げは実施されると考えられ、焦点はその際の利下げの幅、と言ってもいい状況です。

 市場の一部には「0.5%」との声も挙がっていますが、今回の雇用統計の結果を踏まえると「0. 25%」の可能性が高いと予想します。また株式市場では先週、主要3指数が揃って「史上最高値を更新」するなど、極めて堅調に推移しており、この点からすれば利下げ幅を拡大する必要性は少ないと考えられます。最大の懸念材料だった米中通商協議も、首脳会談を経て再開されています。FRBとしても、政策金利は出来るだけ高水準を維持しておきたいとの考えを持っていると思われます。

 再び「リーマンショック級」の出来事が発生した場合、金利水準が低過ぎると政策の効果が限定される恐れがあるからだと見られます。今回のFOMCでは「0.25%」の予防的な利下げを実施した上で、今後の経済データを分析していくことが最も考えられる手法かと思います。

 ドル円は108円台半ばまで反発しましたが、このレベルはこれまでも何度か試して抜けなかった水準と概ね同じです。これも先週末のこの欄で述べましたが、今のところ、先月末辺りからゴールデンクロスを点灯させている「MACD」に軍配が上がっています。「MACD」はさらに上昇を拡大させてはいますが、未だに「マイナス圏」にいます。直ぐにドル円が109円台に向かう状況ではないことも示唆していると考えられます。過度の利下げ期待が修正され、ドル円が109円台を回復できるのか。あるいは、108円台半ばを頂点に再び下落基調に戻って行くのか、重要な局面かもしれません。

 本日の予想レンジは108円~108円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)