ドル円は休日を控え参加者が少ない中、小幅に反発金利は低下したものの、株価が大幅に続伸したことで107円88銭までドルが買われ、この日の高値圏で引ける。ユーロドルは引き続き方向感がなく、1.13を挟んでの展開。1.1272まで売られたが、ポジション調整の域を出ず。株式市場は金利低下を材料に大幅に続伸。ダウは179ドル高で史上最高値を更新。S&P500とナスダックも最高値を更新し、3指数が揃って高値を記録。債券市場は経済指標の下振れを手掛かりに続伸。長期金利は1.95%台まで低下。金と原油は揃って上昇。

6月ADP雇用者数             →   10.2万人

5月貿易収支                    →  -555億ドル 

新規失業保険申請件数      →  22.1万件

5月耐久財受注(改定値)     →  -1.3%

6月ISM非製造業景況指数   →   55.1

ドル/円 107.57 ~ 107.88

ユーロ/ドル 1.1272 ~ 1.1312
 
ユーロ/円 121.50 ~ 121.80

NYダウ +179.32 → 26,966.00ドル

GOLD   +12.90 →  1,420.90ドル

WTI  +1.09  → 57.34ドル

米10年国債 -0.024 → 1.950%


本日の注目イベント

豪 5月小売売上高
欧 ユーロ圏5月小売売上高
米 NY休場(独立記念日)

 NY株式市場では株価の上昇が止まりません。ダウは179ドル上昇し、これで他の指数には遅れたものの「史上最高値」を更新し、2万7000ドルが視野に入ってきました。先行するS&P500もナスダックも上昇し、この日は主要3指数が揃って最高値を更新しています。ドル円は小幅ながら反発し、107円台後半をつけてはいますが、ユーロドルに代表されるように、為替市場だけが「蚊帳の外」といった印象です。

 昨日のNY市場では金も買われ、債券も買われています。6月のADP雇用者数が予想を下回る10.2万人だったことで、政策金利引の引き下げが進むといった見方から商品全般が買われている状況です。このところのパターンは、「経済指標の下振れ→金融緩和策の強化→金利低下を材料に株や金が上昇」といった動きが定着してきたかのようです。昨日は先行指標でもある、ISM製造業景況指数も予想を下回り2年ぶりの低水準で、特に中小企業の雇用は1年4カ月ぶりの低下でした。この結果を受けて、ISMは「回答者のコメントには、貿易・関税問題を理由に一定の不確実性が存在する」との分析結果を発表しています。

 確かにこのところの経済指標は雇用を中心に悪化傾向が顕著で、FRBによる利下げ回数の増加観測を高めることになり、それが株価の上昇につながってはいますが、その前に、経済指標の下振れは景気そのものが悪いということを認識しておくべきではないかと思います。景気の悪化は、企業業績の悪化につながり、企業業績と株価は切っても切り離すことは出来ません。今の株価の上昇は、典型的な「金融相場」と言えると思います。ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長は、ブルームバーグとのインタビューで、「米金融当局が金利を引き下げ、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を議会が承認し、トランプ大統領の成長計画を推進すれば、ダウ平均株価は3万ドルに到達する」と述べています。

 ECBの次期総裁にIMFのラガルド専務理事が指名されました。ECBの第4代総裁は少なくも、理事会メンバーの中から選ばれると予想していただけに、この人事はサプライズでした。ECB総裁に女性が就任するのは初めてですが、フランスからは2人目の総裁で、これでドイツ出身の総裁誕生がまた先送りになりました。欧州委員会の委員長にドイツ出身のフォンデアライエン氏が就任するため、独仏でポストを分けたとの批評もありますが、ECB総裁の方がはるかに格上で、フランスが「漁夫の利を得た」格好です。「欧州の大国ドイツ」に対する警戒感や、やっかみなどが背景にあるようですが、ラガルド氏はIMFの前はフランスの財務大臣でしたが、セントラル・バンカーとしての経験はありません。それでもハト派のイメージが強く、これも株価の上昇に一役買ったようです。

 またトランプ氏が空席のFRB理事にウオーラー、シェルトン両氏を指名したことも、FRBの利下げを促すと見られています。因みにシェルトン氏はトランプ氏の非公式アドバイザーを務めておりFRB内ではトランプ氏の意向を代弁すると見られ、この人事も株価の上昇につながったようです。金利低下観測が全ての商品上昇のドライバーになっていると見られますが、果たしてこの先、市場が予想するようにFRBが年内に2~3回の利下げを行うのでしょうか?株価の上昇が続けば、いわゆる「資産効果」から個人消費の拡大につながります。GDPの7割を個人消費が占める米経済にとって、個人消費が伸びれば他の経済指標にも波及し、景気が再び拡大基調に戻るというシナリオも考えられます。そうなると、市場の前のめりの予測も修正局面を迎える場面があるかもしれません。

 ドル円は107-109円のレンジを形成しそうですが、その中でも上値の重さが意識されます。戻り売りのスタンスはまだ有効だと思われます。本日のドル円は107円30~108円程度を予想します。米国が祝日のため、大きな動きはないと思われますが、どうでしょう。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)