ドル円は売られ、再び108円台を割り込む。米長期金利が低下し欧州との貿易摩擦を懸念する声が拡大。ドル円は107円77銭まで下落し、107円90銭前後で取り引きを終える。ユーロドルは1.13を挟んでもみ合う。ドルが売られたことで、ユーロを買う動きもあったが、続かず。1.1312までユーロ高が進んだが、この日はユーロ円の売りもユーロの上値を押さえる。

 株式市場は続伸。世界的な金利低下を背景に、株式市場への資金流入は継続。ダウは69ドル高。S&P500とナスダックは最高値を更新。債券相場は続伸し、長期金利は1.97%台へと急低下。金は大幅に反発。原油価格は利益確定の売りに押され大幅安。

6月自動車販売台数 → 1730万台

ドル/円   107.77 ~ 108.29
ユーロ/ドル 1.1283 ~ 1.1312
ユーロ/円  121.71 ~ 122.37
NYダウ   +69.25 → 26,786.68ドル
GOLD   +18.70 → 1,408.00ドル
WTI    -2.84  → 56.25ドル
米10年国債 -0.05  → 1.974%

本日の注目イベント

豪  5月住宅建設許可件数
豪  5月貿易収支
中  6月財新サービス業PMI
中  6月財新コンポジットPMI
独  6月サービス業PMI(改定値)
欧  ユーロ圏6月サービス業PMI(改定値)
米  6月ADP雇用者数
米  5月貿易収支
米  新規失業保険申請件数
米  5月耐久財受注(改定値)
米  6月ISM非製造業景況指数
米  独立記念日の前日で株式・債券市場は短期取引
加  5月貿易収支

 米中貿易問題で最悪の事態が避けられたことを好感し、月曜日のドル円は窓を開けて上昇しました。しかし、108円台半ばまで上昇したドル円は再び108円台を割り込んできました。直接の要因は米長期金利の低下でした。米10年債利回りは直近の最も低い水準を下回り、2016年11月以来となる1.97%台まで低下してきました。日米金利差の縮小を手掛かりにドル売りが進み、107円77銭までドル安に振れています。これで、ドル円は米中首脳会談前の水準に押し戻されたことになります。

 米金利の低下は、世界的に金利が低下していることが影響している部分もあります。日本やドイツだけではなく、フランスの国債も買われ金利が低下してきました。イングランド銀行のカーニー総裁は昨日、「貿易を巡る緊張の高まりで、英国を含む世界の成長に対する下振れリスクが強まっている」と述べ、そのため「大規模な政策対応が必要になる可能性がある」との認識を示しました。この発言も主要国の金利低下に拍車をかけたようです。さらに米国とイランとの緊張が高まっており、ポンペオ国務長官は「イランが核開発を進めれば、経済圧力を強化する」と表明し、今後のイラン側の対応次第では、米国による軍事行動もないとは言えません。

 米金利が低下する一方、米国の株式市場には資金が流入し、株価の上昇が止まりません。昨日はS&P500とナスダックが最高値を更新し、ダウも8カ月ぶりの高値を記録しています。外部環境は景気を含めて多くのリスクが散見される状況下で、金利低下だけをはやして株価が上昇する足元の動きに違和感を覚える市場関係者も多いと思いますが、運用結果が全てのこの世界、多くの投資家が株を買えば、追随して株を買わざるを得ません。仮に大きく下げたとすれば、その時は多くの投資家が一緒に傷を負うことになるからです。「We are in the same boat」、投資家から良く聞かれる言葉です。

 米長期金利との相関が高いドル円は、今後米金利の低下傾向が続く以上なかなか上昇気流に乗ることができません。以前にも述べましたが、まだ足元の動きは株高がドルの下落を支えている部分もありますが、株価が急落すれば、リスクオフの流れから金利が低下する可能性は高く、そのような状況になると円高が急速に加速すると予想されます。今の株価に対する楽観的な見方が今後も続けばいいですが、一旦崩れるとその時の谷も深いものと予想されるため、常に目配りは必要です。

 本日のドル円は107円40銭~108円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)