東京時間に108円15銭まで買われたドル円は、海外市場では徐々に軟調となり、NYでは107円67銭まで下落。G20での米中首脳会談の結果が読み切れないことで、ドルの上値は重い。ユーロドルは横ばい。1.13台半ばを中心に20ポイント程の値幅で推移。株式市場は前日と同じような展開となり、ダウは下落したものの、ナスダックは上昇。米中首脳会談を前に動きも鈍く、ダウは10ドル安。債券市場は反発。長期金利は2.01%台に低下。金は続落し、原油は小幅ながら続伸。

ドル/円 107.67 ~ 107.95
ユーロ/ドル 1.1357 ~ 1.1377
ユーロ/円 122.40 ~ 122.73
NYダウ -10.24 → 26,526.58ドル
GOLD   -3.40 →  1,412.00ドル
WTI  +0.05  → 59.43ドル
米10年国債 -0.033 → 2.014%

1-3月GDP(確定値)     →   3.1%
 新規失業保険申請件数       →   22.7万件
5月中古住宅販売件数成約指数   →   1.1%

本日の注目イベント

日   5月失業率
日   6月東京都区部消費者物価指数
日   5月鉱工業生産
日   G20大阪サミット
欧   ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)
英   英1-3月期GDP(改定値)
米   5月個人所得
米   5月個人支出
米   5月PCEコアデフレータ
米   6月シカゴ購買部協会景気指数
米   6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

 いよいよ本日からG20大阪サミットが始まります。すでに昨日から首脳同士の外交活動が始まっており、昨日は大阪で日中首脳が会談をおこなっています。会談では、来年の春に習主席を国賓として招きたいという申し出を、中国側も受け入れ、日中韓関係を「永遠の隣国」として今後さらに関係を強化していくことで合意しています。また、中国側から拉致問題に関する言及があったことはややサプライズでしたが、習主席は先週の訪朝の際に、拉致問題に関する日本の立場を金委員長に伝えたことを明らかにしています。米中首脳会談を前に、日本側との距離を縮めておこうという思惑があると見られているようです。

 注目の米中首脳会談は明日の11時30分から行われます。これに先だってクドロー国家経済会議(NEC)委員長は、合意がなければ、米国は中国製品に追加関税を賦課する可能性があることにあらためて触れ、「われわれに良い取引をすることに中国が前向きなら、われわれは見方を変えるかもしれない」と述べています。また、「中国との協議には合意履行が含まれる必要がある」とも述べ、引き続き中国側に圧力をかけているようです。中国側も会談では、ファーウェイに対する禁止措置の撤回を米国に要求していくと米紙は伝えていますが、どうなるのか明日の結果は読み切れません。ただ、ここまで米国が圧力をかけてきた以上、「決裂」という選択肢は考えられません。その場合、直ちに制裁関税第4弾が発動され、減速傾向が鮮明な中国景気が一段と悪化することになるからです。

 一方で米国側の要求を全て飲むようだと、中国国内から「弱腰」との批判も噴出し、習主席の指導者としての立場にも微妙な影響が出てくることから、米国側の要求にもある程度条件をつけることも予想されます。結局、最終合意には至らないものの、米国の貿易赤字解消に対するコミットを行いながら、核心的な問題については今後も協議を継続することで会談を終えるのではないかと、個人的には考えています。仮にそうなった場合の市場の反応は、どちらかと言えばポジティブではないかと思います。制裁関税第4弾の発動は、米中どちらにも痛みを伴うものですが、中国側により強い痛みが襲うことになります。中国側もその点については十分理解していると考えます。従って、中国側がどこまで譲歩して来るのかが焦点です。

 G20では米中貿易問題だけではなく、ロシアやトルコなどとの関係についてもトランプ大統領は首脳会談を通じて話し合われるものと思われます。先のアルゼンチンサミットでは首脳宣言に「保護貿易主義に反対する」といった文言は盛り込まれませんでした。米国が強く反対したからだと伝えられていますが、今回はそのような文言が盛り込まれるのか、議長国としての日本の立場が試されます。

 ドル円は昨日の東京時間に108円台を回復し、108円15銭まで上昇しましたが、海外市場ではその流れが続きませんでした。本日もトランプ氏はメルケル独首脳やプーチン・ロシア大統領などとの会談が予定されています。今日の段階では為替への影響はないと思われますが、伝えられるニュースのヘッドラインで動く可能性はあるかもしれません。来週月曜日の早朝の動きには注意が必要です。

本日のドル円は107円30銭~108円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)