大阪G20サミットで米中首脳会談が開催される見通しだ。中国からの全ての輸入品に高額な関税をかけるとしているトランプ大統領と、中国の習近平国家主席が、どのような合意に達することができるのかに注目が高まっている。すでに、米中両国には、この貿易戦争の悪影響が現れ始めているとみられているが、大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は6月20日、「予断を許さない米中摩擦と減速する中国経済」と題したレポート(全9ページ)を発表し、中国の内需テコ入れ策は、まだ本格的なものではないという見方を示した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆6月28日~29日に大阪で開催されるG20サミットを機に、米中首脳会談が開催される可能性が高まったが、米中協議の行方は予断を許さない。中国でモノを作って米国に輸出する企業にとって、中国で製造する優位性は損なわれ、製造業投資は減速しているが、米国がほぼ全ての対中輸入品目に追加課税という事態に陥れば、もう一段の悪化が懸念される。米中のみならず世界経済への悪影響はより深刻化・長期化する可能性が高い。
 
◆中国の内需は減速しているが、打てる手は残されている。1月下旬に発表された「ハコモノ」中心の公共サービスの増強と、自動車・家電の補助金政策は未だ始動していない。実施されれば相応の効果が期待できるが、前者は債務のさらなる増大と将来的な金融リスクを高めるという副作用を伴い、後者は政策終了後の反動減に警戒が必要となる。それでも短期的な景気テコ入れが必要と判断される場合は、こうした政策が本格的に始動することになろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)