ドル円は朝方に108円16銭まで売られたが、その後発表された経済指標が堅調だったことで108円59銭までドルが上昇。長期金利は低下したものの、ドル円はこの日のほぼ高値圏で越週。ユーロドルは続落。1.1203近辺まで売られ、1週間ぶりの安値を付ける。ユーロは対円でも121円台半ばまで下落。

 株式市場は主要3指数とも揃って下落。テクノロジー株を中心に小幅に下げる。ダウは17ドル安と朝方の下げ幅を縮小。債券相場は続伸。長期金利は2.08%台まで低下し、直近最低水準に迫る。金は4日続伸。原油も小幅に上昇。


5月小売売上高              → 0.5%
5月鉱工業生産              → 0.4%
5月設備稼働率              → 78.1%
6月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 97.9

ドル/円   108.16 ~ 108.59
ユーロ/ドル 1.1203 ~ 1.1270
ユーロ/円  121.59 ~ 121.95
NYダウ   -17.16 → 26,089.61ドル
GOLD   +0.80  → 1,344.50ドル
WTI    +0.23  → 52.51ドル
米10年国債 -0.014 → 2.080%

本日の注目イベント

欧  ドラギ・ECB総裁講演
米  6月NY連銀製造業景況指数
米  6月NAHB住宅市場指数
米  USTR、中国製品3000億ドル相当への関税計画を巡る公聴会


 ドル円は値動きが少なく、結局先週は108円台での推移に留まり、値幅も65銭程度と膠着感が強まっています。先週末のNY市場でも108円16銭まで売られたものの、その後発表された小売売上高が好調だったことで、米景気への過度な悲観論が後退し、ドル円を押し上げた格好でした。もっとも、明日からはFOMCが開催され、利下げ観測が急速に高まる中、パウエルFRB議長が利下げに向けたどのようなメッセージを送ってくれるのか注目されます。さらに来週には、世界の投資家が注目する「G20」が大阪で開催されることから、重要イベントを前に動きにくいことも膠着感を強めた一因です。

 市場では7月利下げはほぼ確実との見方が定着しています。さらに利下げ回数も2回ではなく、3回といった見方も出てきたようです。仮に3回の利下げとすれば、7月に始まって、9月、12月ということになるのでしょうが、やや前のめり過ぎではないでしょうか。米中貿易戦争が長引くという見方から、その場合には米景気の後退も鮮明になっているといった状況が前提になっていると思われますが、逆に米中貿易戦争が合意に向かうようだと今年の利下げは「1回きり」ということもあり得ます。

 ロス商務長官はパリでウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「G20では、よくても前向きに協議を再開するという合意にとどまりそうだ」と述べ、G20で首脳会談が実現したとしても、重要な通商合意がまとまる可能性は低いとの考えを示しました。ロス商務長官は、米中首脳会談が行われれば、「議論の新たな基本原則と、詳細な実務議論を再開するスケジュールのようなものが示される可能性がある」(ブルームバーグ)と語っていますが、首脳会談が行われるのかどうかさえ、まだ決まっていません。

 トランプ大統領が再びパウエルFRB議長批判を繰り返しています。トランプ氏はABCとのインタビューで、「パウエル議長を選んだのは私だ」と述べた上で、「率直に言って、あれほどに利上げをしない別の誰かをFRB議長にしておけば、少なくとも1.5ポイントは高かっただろう」と発言しています。「1.5ポイント」というのは、経済成長率を指しているものと思われますが、トランプ氏は大統領選に関してもツイートを投稿し、大統領の職を「私以外の人物が引き継げば、これまで見たこともない市場の暴落があるだろう」と述べています。

 明日フロリダ州オーランドで再選出馬を正式に行うことになっているようですが、その前にこれまでの実績と自分以外に大統領に相応しい人物はいないことをアピールしているようです。2020年の大統領選に向けた「予備選」は既に始まっており、民主党では大統領候補者が20人程おり、圧倒的な支持を取り付ける候補者はいないようです。「現職有利」ということを除いても、現時点ではトランプ氏有利は動かないと思われます。

 上述のように、今週からは重要イベントが続きます。ドル円もそろそろ動きが出てくるものと思われます。7月の利下げはほぼ確実と思われ、米中首脳会談も実現する可能性は高いと予想しています。

 本日のドル円は108円10銭~108円90銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)