メキシコへの関税を巡る報道で上下しているドル円は108円台で推移。関税先送りを検討との報道で108円56銭まで上昇し、108円40銭近辺で取り引きを終える。ユーロドルは堅調に推移。ECBが政策金利据え置きを決めたが、大きな影響はなく、1.12台半ばから1.13台前半で推移。株式市場は大幅に3日続伸。依然として利下げ観測が株価を押し上げ、この日はエネルギー株などが上昇。ダウは181ドル高と4日続伸債券相場は小幅に上昇し、長期金利は2.11%台へと低下。

金は6日続伸し原油も反発。

4月貿易収支          →  -508億ドル

労働生産性(1-3月)     →  3.4%

新規失業保険申請件数     →  21,8万件

ドル/円 108.02 ~ 108.56

ユーロ/ドル 1.1245 ~ 1.1309
 
ユーロ/円 121.74 ~ 122.40

NYダウ +181.09 → 25,720.66ドル

GOLD   +9.10 → 1,342.70ドル

WTI  +0.91 → 52.59ドル

米10年国債  -0.017 → 2.117%


本日の注目イベント

日  4月景気動向指数
中  5月外貨準備高
独  4月鉱工業生産
米  5月雇用統計
独  4月貿易収支
米  4月消費者信用残高
米  デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
加  5月就業者数
加  5月失業率

 ドル円はメキシコに対する関税が10日から計画通り発動されるのかどうかといった報道に振り回されています。昨日のNY時間には「関税の延期を検討」との報道が伝わるとドル円は上昇基調を強め、108円56銭までドル高が進み前日の高値を抜きましたが、勢いは見られなかったようです。今朝方には、これも昨日と同じように、ペンス副大統領のコメントとして、「不法移民の流入を巡る関税回避で米国とメキシコはまだ合意に達していない」とブルームバーグが報じて、ドル円はNYのクローズからはやや下押しされています。また「本丸」である米中貿易問題に関して6日、トランプ大統領は仏マクロン大統領との会談後、「G20の後に決断する」と述べ、「習主席に会う。どうなるか様子を見ることになるが、決定は恐らくG20の後になるだろう」と記者団に語っています。

 ECBは6日リトニアで理事会を開き、現行の政策金利を少なくとも2020年上期末まで据え置くことを決めました。記者会見の席でドラギ総裁は、「保護主義の高まる脅威」を強調しながら、「最新の経済指標は世界的な向かい風がユーロ圏経済の見通しを圧迫していることを示している」と述べ、「理事会は不測の事態には行動し、あらゆる措置を取る準備ができている」と景気後退に対処する強い姿勢を見せましたが、一部にはECBの政策手詰まりを感じ取ったとのコメントもあります。ドラギ総裁自身の任期も今秋までで、次期総裁が誰になるのかによって、政策の中身も読み切れない部分があるようです。

 NY株が連日大幅な反発を見せています。ダウはここ4日間で900ドルを超える上昇です。パウエル議長が「適切な行動を起こす」と発言し、その後もメキシコとの関税問題が片付いていないにも関わらず、利下げ観測が株価を押し上げる展開が続いている状況です。「パウエル・プットの効果絶大!」といったところでしょうか。昨日もNY連銀総裁の発言がありましたが、基本的にはパウエル議長と同じトーンで、市場への影響はなかったようです。

 本日は5月の雇用統計が発表されます。18.5万人と、3.6%の失業率が予想されていましたが、今週水曜日のADP雇用者数がかなりサプライズだった影響なのか、手元のブルームバーグの端末に示されている予想値は、非農業部門雇用者数が17.5万人に下方修正されており、失業率については「空欄」になっています。予想を大きく下回ればさらに利下げ観測が高まり、ドル円は売られると考えられますが、予想を上回るようだと、利下げ観測の後退からドル円が買われることもありそうです。ただ、それでも109円台乗せが「いっぱい・いっぱい」といったところでしょうか。来週109円台で帰ってくる確率は低いと予想しています。雇用統計までは108円台で推移し、108円~108円60銭程度と見ますが、21時半以降を考えると、本日のレンジは107円80銭~108円80銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)