朝日ラバー <5162> (JQ)は、シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装LED照明光源カラーキャップ、RFIDタグ用ゴム製品などを展開している。19年3月期は減益だった。20年3月期もコスト増で減益予想だが、配当は創立50周年記念配当を実施して大幅増配予想である。株価は水準を切り下げて16年10月以来の安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。
 
■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力
 
 シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。
 
 自動車内装照明関連は、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」が主力製品である。
 
 19年3月期セグメント別売上構成比は工業用ゴム事業84%、医療・衛生用ゴム事業16%、営業利益構成比(連結調整前)は工業用ゴム事業80%、医療・衛生用ゴム事業20%だった。
 
 第12次三カ年中期経営計画「V-2計画」では経営目標値に20年3月期売上高70~80億円、営業利益率8%以上を掲げている。事業分野を車載・照明、医療・ライフサイエンス、その他(卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品など)に再編し、新たな付加価値の創造や、ゴム技術を生かした機構部品の創造を推進している。車載・照明分野では、従来の自動車インテリア照明に加えて、新たにエクステリア市場に参入する。医療・ライフサイエンス分野では、独自開発の医療用回路部品などの市場投入を計画している。
 
 技術開発では、RFIDタグ用ゴム製品で培った技術を活用した簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LEDなどの開発を推進している。
 
 18年7月には、プラズマ気流制御電極開発事業が平成30年度福島県産総研連携再生可能エネルギー等研究開発補助事業補助金の研究テーマとして採択された。18年8月には、原案作成から参画してきた「照明器具用白色シリコーンインキ塗膜」に関するJIS規格が制定された。
 
■20年3月期減益予想だが配当は記念増配
 
 19年3月期連結業績は売上高が18年3月期比2.3%増の77億06百万円、営業利益が13.7%減の4億83百万円、経常利益が13.7%減の5億08百万円、純利益が23.3%減の3億52百万円だった。配当は18年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で、配当性向は25.7%となる。
 
 売上高は概ね計画水準だが、利益は材料開発や工程改善など先行投資費用の増加で計画未達となり2桁減益だった。
 
 工業用ゴム事業は2.1%増収だが7.5%減益だった。売上面では認証・認識ビジネスに対応するRFIDタグ用ゴム製品が大幅伸長し、自動車スイッチ用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーも堅調だったが、主力の自動車内装照明用ASA COLOR LEDが微減となった。医療・衛生用ゴム事業は3.4%増収だが12.0%減益だった。売上面ではディスポーザブル用ゴム製品のプレフィルドシリンジ(薬液充填済注射器)用ガスケットや採血用・薬液混注用ゴム栓などが堅調だった。
 
 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比1.3%増の78億10百万円、営業利益が4.1%減の4億64百万円、経常利益が8.4%減の4億66百万円、純利益が5.8%減の3億32百万円としている。配当予想は期末に創立50周年記念配当10円を実施し、年間30円(第2四半期末10円、期末20円=普通配当10円+記念配当10円)としている。19年3月期比10円増配となり、予想配当性向は40.9%となる。
 
 自動車関連ゴム製品やRFIDタグ用ゴム製品など工業用ゴム事業の受注が増加して増収だが、医療・衛生用ゴム事業の減収、設備投資や人員補強に伴うコスト増加で減益見込みとしている。
 
■株価は売り一巡期待
 
 株価は5月24日に572円まで下押した。水準を切り下げて16年10月以来の安値圏だが、売り一巡して反発を期待したい。6月3日の終値は582円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS73円30銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は約5.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS987円28銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約27億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)