ドル円は朝方には108円台半ばで推移していたが、長期金利の低下を材料に徐々にドル売りが優勢となり108円を割り込む。107円89銭までドル安が進み、108円前後で取引を終える。ドル安の流れが一段と強まったことで、ユーロドルも上昇。1.1265までユーロ高ドル安が進む。株式市場はまちまち。ダウは上昇したもののほぼ横ばい。グ-グルをはじめIT株が大きく売られ、ナスダックは120ポイント下げる。反トラスト法違反疑惑の捜査が入る公算が高まったことが材料に。債券相場は大きく続伸。長期金利は一時2.06%台まで低下し、2.07%台に戻して引ける。ドル安の流れから金は3日続伸。一方原油価格は4日続落。

5月ISM製造業景況指数   →  52.1

5月自動車販売台数      →  1730万台

ドル/円  107.89 ~ 108.44

ユーロ/ドル1.1181 ~ 1.1262
 
ユーロ/円 121.14 ~ 121.65

NYダウ +4.74  → 24,819.78ドル

GOLD +16.80 → 1,327.90ドル

WTI  -0.25 → 53.25ドル

米10年国債  -0.142 → 2.071%

本日の注目イベント

豪  4月小売売上高
豪  1-3月期経常収支
豪  RBA、キャッシュターゲット
欧  ユーロ圏4月失業率
欧  ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)
米  4月耐久財受注
米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
米  パウエル・FRB議長挨拶

 昨日コメントで、「108円割れは時間の問題」と書きましたが、さっそく昨日のNY市場であっさり108円台を割りこみ、107円89銭までドル安が進みました。この水準は、今年正月3日早朝の「フラッシュ・クラッシュ」以来の水準となります。

 貿易戦争を巡るニュースが相場を下押しする展開が続いていましたが、昨日は米国内の材料が株価を押し下げ、長期金利を大きく押し下げ、これが円買いにつながっています。米司法省と連邦取引委員会(FTC)がハイテク大手の監督任務を分割することに合意した
ことを受け、反トラスト法違反の疑いで司法省がグーグルの捜査に着手する準備を始めているとの見方が広がった(ブルームバーグ)ことで、アルファベット(グーグル)やフェイスブック、アマゾンなどIT株が大きく売られました。アルファベット株は3日の市場で一時先週末比7.2%も売られる場面があったようです。この報道でナスダック指数が大きく低下し、債券が一段高となり、長期金利の急低下につながっています。

 また、この日行われたセントルイス連銀のブラード総裁の講演内容も「ハト派」的で、金利先安感を加速させた側面もあったようです。ブラード総裁は、「インフレ率とインフレ期待を目標に近づけるのを助け、予想より急激な景気減速に備えた保険を確保するためにも、政策金利に下方向の調整を加えることは近く正当化される可能性がある。貿易の抑制が米経済に直接及ぼす影響は比較的小さいが、世界の金融市場を通じて広がる影響はより大きくなる可能性がある」と述べています。先日クラリダFRB副議長が、条件つきながら利下げの可能性に言及したばかりでしたが、この日は ブラード総裁もエスカレートする貿易戦争がもたらす経済への下振れリスクに対処する必要から、利下げの可能性に触れました。

 現時点で市場はすでに7月の会合での利下げの確率を66.9%、9月までの会合では95%の確率で利下げがあると予想しています。本日はNY連銀総裁の講演もあります。同連銀総裁はFOMCでは常に投票権を有しており、その発言には影響力もあるだけに現在の米景気に対してどのような見方をするのか注目されます。昨日発表された5月のISM製造業景況指数も、2016年10月以来となる低水準でした。貿易戦争の影響はすでに出ていると判断できるのかもしれません。

 ドル円は108円台を割り込み1月7日に付けた107円77銭前後が視野に入ってきました。1月3日のドルの急落は、どこが底値だったのかいまいち判然としませんが、一瞬ですが105円を割り込んだことは事実のようです。105円~107円台はそう簡単には割り込むとも思えませんが、出口の見えない貿易戦争がドルの反発を抑える動きはまだしばらく続くと考えざるを得ません。本日のドル円は107円60銭~108円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)