ドル円は東京時間に110円32銭まで買われたが、その後は下落に転じ、NYでは株価の下げに109円81銭まで売られる。株価の反発と長期金利の上昇に伴い、110円台に乗せて取り引きを終える。ユーロドルはほぼ横ばい。1.11台半ばを挟んで小動き。株式市場は終始軟調に推移。ファ-ウェイへの部品やソフトの供給が禁止されたことでグーグルなどが売られ、ナスダックは113ポイントの大幅安。債券相場は小幅に下落し、長期金利は2.41%台まで上昇。金は3日ぶりに反発し、原油は続伸。

ドル/円 109.81 ~ 110.06

ユーロ/ドル 1.1157 ~ 1.1174
 
ユーロ/円 122.56 ~ 122.97

NYダウ  -84.10   → 25,679.90ドル

GOLD   +1.60 → 1,277.30ドル

WTI  +0.34 → 63.10ドル

米10年国債  +0.025 → 2.416%


本日の注目イベント

豪  RBA議事録
欧  ユーロ圏5月消費者信頼感(速報値)
欧  OECD世界経済見通し
英  カーニー・BOE総裁議会証言
米  4月中古住宅販売件数
米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米  ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演

 ドル円は昨日の東京時間に110円31銭まで上昇し、前日のNYでの高値を抜きましたが、勢いはなく、その後は海外市場に向けて軟調な地合いが続きました。トランプ大統領が中国のファーウェイなどを米市場から事実上締め出す大統領令に署名したことで、株式市場ではハイテク株が大きく売られ、ドル円も109円81銭までドル安が進みました。

 ドル円はその後再び110円台を回復しましたが、中国側がこれまでの米国の要求に対して見せていた柔軟な姿勢を硬化させており、米中通商協議が行き詰っているとの印象です。今後も協議は継続されるとのことですが、実際の日程はまだ決まっていないようです。一方で米国は制裁関税第4弾として、3000億ドル(約33兆円)相当の中国製品に対して25%の関税をかける準備を行っています。このままでいけば、公聴会などを経て実際には6月後半から7月には実施される可能性もありますが、実施された場合の影響はこれまでと比べ、はるかに甚大なものになりそうで、その影響は日本も例外ではありません。


 協議が進まない根底には米中の覇権争いがあると言われており、そうだとすれば米中の歩み寄りはそう簡単ではありません。
今週の「日経ヴェリタス」紙は、米中の関係を「新冷戦」と位置づけ、「新冷戦は終わらない」との特集と組んでいます。この紙面とは無関係ですが、トランプ大統領は米FOXニュースの番組で、「米国に代わって世界を率いる超大国になることを中国は望んでいるが、中国が米国をしのぐことはない。自分が大統領である限り」と述べています。まさに「新冷戦」と言えます。この発言は多分に大統領選を意識したものだとは思いますが、中国との貿易交渉を「急がない」とも語っており、時間との問題もあり状況は中国にとって不利と言わざるを得ません。今週末に来日し安倍首相と会談する中で、何か打開策が打ち出されればいいと思いますが、それも余り期待できません。

 昨日の朝方に発表された日本の第一四半期GDPは驚きでした。マイナスと予想されていたものが、前年同期比で0.5%増、年率換算で2.1%増と、予想を大きく上回りました。ただ、内容的にはそれほど喜べず、輸入の減少が「外需」を押し上げたことが主因となっています。個人消費は2期ぶりに減少となっており、4-6月期もマイナス成長の可能性が高いと予想されています。消費税増税派にとっては「追い風」になった今回の結果ですが、24日に予定されている「月例経済報告」で政府がどのような判断を下すのか注目されます。

 ドル円は110円を挟んでもみ合う展開が予想されます。109円前後では底堅さを見せたドル円ですが、上値の方も「戻り売り」が控えているようです。次の材料待ちといったところでしょうか。本日のレンジは109円60銭~110円40銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)