久しぶりに大きく動いたドル円。112円40銭まで買われたが、対ドルでユーロやカナダが売られたことによる「連れ安」の側面が強く、引けにかけは112円15-20銭まで売られる。ユーロドルは急落。一時は1.1141まで売られ、2017年6月以来のユーロ安を記録。株式市場は揃って反落。主要指数が高値圏にあることもあり、利益確定の売りに押される。キャタピラーが好決算だったが、先行きに慎重な見方を示したことも材料視されダウは59ドル安。株安から債券は続伸。長期金利は2.51%台まで低下。金は7営業日ぶりに反発。原油価格も小幅に反落し66ドル台を割り込む。

ドル/円    111.68 ~  112.40

ユーロ/ドル  1.1141 ~ 1.1211
 
ユーロ/円   124.80 ~ 125.37

NYダウ  -59.34     → 26,597.05ドル

GOLD    +6.21   → 1,279.40ドル

WTI     -0.41     → 65.89ドル

米10年国債 -0.047   → 2.518%


本日の注目イベント

日   日銀金融政策決定会合
日   黒田日銀総裁記者会見
トルコ トルコ中銀政策金利発表
米   3月耐久財受注
米    新規失業保険申請件数
米   3月製造業受注
米     企業決算 → スターバックス、3M、アマゾン、インテル、UPS

 「そろそろ動き出してもおかしくはない」といったコメントを書きましたが、昨日のNY市場でドル円は久しぶりに値幅を伴った動きを見せました。ドル全面高の展開から、ドル円は112円40銭まで買われ、昨年12月20日以来の水準を記録しました。ユーロやカナダ、豪ドルなどが対ドルで売られたことで、ドル円でも「円売り」が加速し、112円20-30銭にあったドル売り注文を飲み込んで上昇しました。

 ユーロは4月のIFO景況感指数が「99.2」と、今年最も低水準だったことが材料となり、1.1141まで売られています。この水準は2017年6月以来となるユーロ安水準ですが、ここまで売られると焦点は、1.1を割り込むかどうかです。中国の景況感がやや底打ち傾向を見せる中、ユーロ圏の景気はドイツを中心に浮上のきっかけをつかめない状況が続いています。昨日はカナダドルも1.34台前半から80ポイントほど売られています。カナダ中銀の声明から利上げの文言が削除され、利上げ観測が急速に後退したことが背景でした。

 昨日は米10年債も買われ、長期金利は2.51%台まで低下しましたが、それでも相対的な金利水準は高く、他に比べれば魅力的ということなのでしょうか。金利だけではなく、景気に対する見方も含めて、ドルに対する需要はさらに高まったと言えそうです。ただドル円は112円40銭をつけた後、112円06銭前後まで売られています。10連休を控え、輸出業者を中心に先物やオプションを使って5月から8月までの手当てをしておこうとするニーズはかなりあると予想されます。そのため、本日も東京時間での高値更新は難しいと思われます。昨日もユーロドルなどの動きに「連れ安」した側面が強かったこともあり、欧州時間からNYにかけてのユーロの動きに注意しながらの市場参加が賢明でしょう。

 もし東京時間でドル円が大きく動くとしたら、材料は日銀の決定会合でしょう。金融政策に変更はないものと思われますが、今回は「展望レポート」も発表されます。焦点は、レポートで3年先の2%物価目標達成が示されるかどうか(ブルームバーグ)という点です。物価は上がりにくい状況が続いており、物価目標を下方修正する可能性を指摘する声もあります。また、マイナス金利をさらに深堀するのではとの見方もありますが、すでに金融機関への副作用も議論されており、さらにマイナス金利を拡大するようだと、地方銀行の経営に大きな影響が出てくる可能性もあり、これも簡単ではありません。相場がようやく動き始めたこともあり、3時半から始まる黒田総裁の会見が、これまでになく注目されそうです。

 ドル円はこれまで112円を挟んで一進一退を続けており、111円50銭~112円50銭の狭いレンジが予想されていましたが、昨日のドル急騰で、チャート的には上値を追う可能性が高まってきました。ただ上述のように、連休を前にして実需や思惑も入り乱れやすい状況です。個人的には上値の深追いは避けたいところと思っています。テクニカルでは依然としてドルの上昇を示唆していますが、仮に連休中に急変があるとすれば、やはり円高方向ではないかと予想しています。本日のドル円レンジは111円80銭~112円50銭程度とみています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)