2018年後半から始まった中国の金融緩和とインフラ投資拡大の影響は、さっそく中国国有企業の業績を押し上げ始めた。大和総研経済調査部の主席研究員、斎藤尚登氏は4月18日、「中国経済見通し:景気減速に歯止め」と題したレポート(全10ページ)を発表し、19年1~3月の中国の実質GDP成長率が6.4%と前期比横ばいとなったことを受け、6.2%程度としていた従来の成長率予想を6.5%程度に上方修正した。レポートの要旨は、以下の通り。
 
◆中国では景気サポート的な政策が発動されると、決まって「国進民退」(政策の恩恵を受けるのは専ら国有企業で、民間企業は蚊帳の外に置かれる)の問題がクローズアップされる。とはいえ、当局の意を受けて政策を実行するのは国有銀行と国有企業であり、今回も国有企業の資金調達は急増している。「金融緩和+国有企業主導の景気テコ入れ」により、債務問題が悪化しかねないのはかねて指摘している通りであるが、目先は景気下振れ回避が最優先されているのである。
 
◆国家統計局によると、2019年1月~3月の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.4%(以下、変化率は前年比、前年同期比)と、前期から横ばいであった。2018年1月~3月の6.8%成長を直近のピークとする成長率の低下に、取り敢えず歯止めがかかったことになる。大和総研は2019年の中国経済は前半の成長率が低く、後半は景気対策の効果がより強く発現することで成長率はやや高くなるとみており、この点に変更はない。ただし、1月~3月の6.4%成長は想定以上に強く、2019年の成長率予想を従来の6.2%程度から6.5%程度に引き上げる。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)