ドル円は112円を挟み小動き。値幅は10銭程度に収まり、日米物品貿易協議を見極めたいとするも動かず。ドルの高値は東京時間とほぼ同じ112円07銭。ユーロドルも前日と同じく1.13を挟み小動き。株式市場は3市場とも揃って反落。ゴールドマンの決算発表に失望し金融株が下げる。ダウは27ドル下落と小幅安。債券相場はやや買われ、長期金利は2.55%台へと若干低下。金と原油はともに反落。

4月NY連銀製造業景況指数  →  10.1 

ドル/円   111.96  ~  112.07

ユーロ/ドル 1.1298   ~  1.1316 

ユーロ/円  126.55  ~  126.79

NYダウ    -27.50  →  26,384.77ドル

GOLD      -3.90  →  1,291.30ドル

WTI        -0.49  →  63.40 ドル

米10年国債  -0.011 →  2.554% 


本日の注目イベント

豪  RBA議事録
独  4月ZEW景況感指数
英  3月失業率
米  3月鉱工業生産
米  3月設備稼働率
米  4月NAHB住宅市場指数
米  カプラン・ダラス連銀総裁講演
米  企業決算 → IBM,ジョンソン&ジョンソン、ネットフリックス、バンクオブアメリカ、ブッラクロック


 昨日の東京時間では予想通り株価は大きく上昇したもののドル円の動きは鈍く、先週末のNY市場の高値を抜けず、上値の重さを見せられたと同時に下値の方も限定的で、株価に反応薄の1日でした。この流れはNY市場へも引き継がれ、NY時間では値幅もわずか11銭と、ほぼ動きは見られませんでした。

 日米物品貿易協議(TAG)が始まり、市場はこの行方を見極めたいとのムードが支配的だったとはいえ、動きはなく「無風状態」でした。また、ムニューシン財務長官が「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」と先制口撃をしてきたにも関わらず、市場の反応は見られません。協議では最初から日米間で認識の違いが明らかになっています。日本側は自動車や農産物など、モノに限った物品貿易協定を求めているものの、米国側はサービスも含めた包括的な自由貿易協定(FTA)を想定しており、(日経新聞)交渉の範囲に認識の違いがあるようです。


 米国の対日貿易赤字の大半は「自動車と自動車部品」によるものです。トランプ政権とすれば、この部分に規制をかければ貿易赤字が一気に減ることが分かっているため、日本からの自動車輸入に数量規制をかけてくる可能性も取り沙汰されています。一方で日本側としても、その事態は何としても避けたく、これまでに官民で手を打ってきました。政府が今年度米国からF35戦闘機105機を、1兆円を超える予算で購入することを決めたのもその一つです。トヨタ自動車が米国への投資を5年間で100億ドル(約1兆1200億円)コミットしていましたが、さらに30億ドル増やすことを決めたのも、トランプ政権へのアピールだと見られています。実際、トランプ大統領はこれらを評価する発言を行っていました。しかし、全て「ディ-ル」として捉えるトランプ氏は「それはそれ」と言い放ち、厳しい要求を突きつけてくる可能性があります。中国との貿易交渉では、中国からの大幅な譲歩を引き出すのに成功し、ほぼ合意に近いところまできました。これに味をしめて、EU,メキシコ、そして日本に対しても強硬姿勢を見せてくることも十分考えられます。


 ハト派の代表格の一人であるシカゴ連銀のエバンス総裁は昨日、CNBCのインタビューに答えて、「フェデラルファンド(FF)金利は2020年秋まで据え置かれるとみている」と述べ、「それによりインフレ見通しを支え、2%ないしそれをやや上回る水準での持続を確実にできると私は考えている」と語っています。(ブルームバーグ)FRBは年内の利上げを断念しながらも、「今後の経済データ次第だ」という言い回しで、利上げの余地もわずかではありますが残していると理解しています。政策金利据え置きを今後1年半という明確な期間に言及したのは今回のエバンス総裁が初めてのことと思います。さすが「ハト派」の代表格と言われている人物です。もしこの見方が正解であれば、今後ドル円の上昇は極めて限定的になると言えます。

 本日はワシントンから日米協議の内容が伝わらない限りドル円は動かないとみられます。レンジは、余程のインパクトのあるニュースがない限り、111円60銭~112円20銭程度といった所でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)