前日の急落で東京時間でも110円台後半だったドル円は、良好な米経済指標と長期金利の上昇に111円70銭まで反発。ユーロドルは引き続き小動きで、1.12台半ばでもみ合い。前日と真逆の展開となり、ユーロ円は125円台後半まで上昇。

 株式市場は小動きの中、高安まちまち。ダウは14ドル下げたものの、S&P500は小幅高。まもなく始まる決算発表を見極めたいとする姿勢が強まる。債券相場は反落。長期金利は2.5%に届く水準まで上昇。金は大幅に下げ1300ドル台を割り込む。原油価格もIEAの需要見通しを受け大幅に反落。

3月生産者物価指数  → 0.6%
新規失業保険申請件数 → 19.6万人

ドル/円   111.20 ~ 111.70
ユーロ/ドル 1.1250 ~ 1.1276
ユーロ/円  125.21 ~ 125.71
NYダウ   -14.11 → 26,143.05ドル
GOLD   -20.60 → 1,293.30ドル
WTI    -1.03  → 63.58 ドル
米10年国債 +0.032 → 2.497%

本日の注目イベント

中  中国3月貿易収支
欧  ユーロ圏2月鉱工業生産
英  英国のEU離脱期限
米  3月輸入物価指数
米  4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


 前日のNY市場で110円85銭まで売られたドル円は、昨日の東京時間でも上値が重く、111円を挟む展開でしたが、NY市場に戻るとジリジリとドルが買われ、111円70銭まで大きく反発しました。2つの経済指標が発表され、いずれも市場予想を上回るものだったとはいえ、ここ最近の値幅のない動きを考えると、やや驚きでした。前日の「円全面高」から、昨日は一転して「円全面安」の様相でした。

 3月の生産者物価指数が予想を上回る0.6%だったことで、好調な米景気の持続や、利上げ観測につながったと思われます。また週間失業保険申請件数も19.6万件と、実に49年ぶりの低水準で、引き続き労働市場の拡大を示唆していると見られます。同指標はこれで、4週連続で減少しており「失業率が低い中、雇用主にとっては労働者を引き付け、採用することが依然困難な状況」だとブルームバーグは説明しています。

 イギリスのEU離脱期限が10月末まで再延期になりました。EUは10日、臨時首脳会議で「合意なき離脱」を回避するため、離脱の期限を6カ月延期し、10月末にしました。同時にイギリスがその間、離脱協定案で合意できれば、10月末を待たずに離脱することができる仕組みも残しました。さらに合意文書には、イギリスが5月の欧州議会選に不参加なら6月1日離脱といったことや、離脱協定案は再交渉できないなどの条件も付記されています。EUのトゥスク大統領は「最良な解決方法を見つけるには十分な時間だ」とのコメントを残していますが、メイ首相にとっては依然としてイバラの道は続きます。メイ首相は11日遅くに最大野党労働党のコービン党首と会談をしたようですが、党内の抵抗も強く、短時間で会談を終えています。

 FRBの中でもその発言が注目されるクラリダ副議長はワシントンでの講演で、米経済は昨年の力強いペースから幾分減速しているが「良好な状態にある」との認識を示しました。副議長は、物価上昇が抑制されている中で、賃金が上昇しつつある状況を踏まえて、「現在の景気拡大局面が今年半ばに米史上の最長記録を更新する可能性は非常に高い」と述べています。

 ドル円は結局、日足の雲の上限で下落が止められ反発しました。ドルがさらに売られても、それほど深押しはないとは予想していましたが、予想以上の反発です。111円70銭までドル高が進んだことで、再び日足の重要な移動平均を上抜けしています。目先のレジスタンスは、先週の雇用統計直後につけた111円82銭ということでしょう。この水準をしっかりと上抜けできれば112円台乗せへの窓が開かれてくる可能性が高まると予想しています。引き続き米長期金利の動きと、本格化する米企業の決算発表にも注意したいと思います。

 米朝関係も再び微妙な状況になってきたようです。ベトナムで行われた2回目の首脳会談の決裂を受け、北朝鮮のメディアは強い口調で米国口撃を再開しています。一方トランプ大統領が3回目の首脳会談は可能性だと述べています。G20がワシントンで開催されています。今回から日本が議長国です。ここからの情報にも注意したいところです。

 本日の予想レンジは111円30銭~112円程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)