いちごオフォス <8975> を運用するいちご投資顧問の常務執行役オフィスリート本部長の深澤真一氏は、3月にIRセミナーを開催し、いちごオフィスの運用の現状と、同REITが投資する中規模オフィスビルの特性について解説した。深澤氏は、いちごオフィスが17期連続で増配を実施できた背景には、同REITの投資対象である中規模オフィスビルが安定したキャッシュフローを生み出す魅力的な投資対象であり、改修工事等によって収益性を高める余地も大きいことなどがあるとした。深澤氏の説明の要旨は以下の通り。

<中規模オフィスに特化して17期連続増配の実績>

 いちごオフィスは中規模オフィスに特化したJ-REITです。物件数は85物件、資産規模は2030億円という、中堅J-REITとなります。スポンサーは東証1部に上場しているいちご株式会社 <2337> です。決算は4月末と10月末の年2回となっております。2005年10月に上場しました。足下の予想分配金利回りは、4.20%(2019年2月22日終値ベース)となっております。運用にあたっているいちご投資顧問は、いちごオフィスのほか、ホテル特化型のいちごホテル <3463> 、再生可能エネルギー資産に投資するいちごグリーン <9282> の運用を担っています。

 いちごオフィスの最大のセールスポイントは、17期連続で増配を実施していることです。これは、J-REITでナンバーワンの実績です。

<中規模オフィスビルで運用するメリット>

 いちごオフィスの特長は、中規模オフィスの特性を生かした運用です。中規模オフィスには、安定したキャッシュフロー、景気上昇局面で賃料収入のアップが期待でき、改修工事を実施することで収益性を高めることが可能だという特性があります。

 私どもが定義する中規模オフィスとは、おおむね8階建から10階建てで、1フロアが100坪前後のオフィスビルです。主に中小企業様が50坪から100坪くらいの専有面積でご利用いただいています。これを全国に85物件所有しています。

 中規模オフィスは、物件数が豊富です。日本の事業用不動産の9割を占めています。物件数が多く、取引件数が多いため、流動性が高く、金融商品として優れています。また、対象テナント層が厚いというメリットもあり、高い稼働率を維持することが可能です。

 そして、最大の魅力はプロが運用していない物件が多いことです。中規模オフィスのオーナーは、事業会社や個人が有効活用や投資目的でビルを建設し、保有していることが多く、中・長期的な視点での改修があまりなされていません。建物の仕様や清掃の仕方なども整備されていない部分があります。したがって、我々のような管理・運用ノウハウのある会社がしっかり管理することで、中規模オフィスの中で差別化を図ることができ、これが競争力の源泉になります。

 物件群のエリア分散は、東京首都圏が投資基準の7割に対して足元では8割、名古屋・大阪・福岡・仙台といった主要な政令指定都市が2割、と分散して投資しています。東京の賃料がここ数年で非常に伸び、東京に集中して投資してきました。今後は、福岡、名古屋など元気な地方都市に分散して投資していきたいと思っています。

 テナントも分散が効いています。サービス業、卸小売、情報通信業、製造業など幅広い業種に分散し、上位10テナントでおおむね12%-14%程度ですので、偏りが小さくなっています。偏りがないため、安定した分配金にもつながっています。

 最近の改修工事では、「いちご東池袋ビル」の空きフロアにおいて、シェアオフィスのコンセプトを取り入れ、専用の受付と専用ラウンジ(いちごラウンジ)を作り、小区画のラウンジ付きのオフィスとしてご提供したところ、ベンチャー企業様やIT関係の企業様に好評で、賃料が1.5倍になりました。このような、より魅力的なオフィススペースを作っていきたいと思っています。

 稼働率は99%台を維持しています。賃料は過去2年で4%くらい増えています。

 平均借入金利は1.02%です。もう少し下げる余地があります。平均借入期間は6年、固定金利比率は94%です。2000億円程度の資産規模に対し315億円の含み益があります。

 2019年4月期の予想分配金は、2215円、2019年10月期の予想分配金は2070円となっております。2019年4月期については、物件の売却益が上乗せになっていることから、2019年10月期は減配となりますが、運用の実力部分はしっかり伸びております。(情報提供:モーニングスター社)