ドル円は111円台半ばを試したものの抜けきれずに前日と同じ水準に押し戻される。米中通商協議の進展報道や米長期金利の上昇から円が売られやすい地合いながら値動きは緩やか。ユーロドルは反発。ユーロ圏の経済指標が予想を上回ったことで買い戻しが優勢となり、1.1251まで上昇。株式市場は揃って上昇。米中通商協議期待からダウは39ドル上昇し、S&P500は半年振りの高値を記録。債券相場は続落し、長期金利は2.52%台まで上昇。金は下落したもののほぼ横ばい。原油は4日ぶりに反落。

3月ADP雇用者数        →   12.9万人

3月ISM非製造業景況指数    →   56.1

ドル/円 111.31  ~111.51

ユーロ/ドル 1.1225 ~ 1.1251 

ユーロ/円 125.08  ~ 125.39

NYダウ +39.00  →  26,218.13ドル

GOLD -0.10  → 1,295.30ドル

WTI -0.12    → 62.46 ドル

米10年国債 +0.050 → 2.524% 

本日の注目イベント

欧   ECB議事要旨
米    新規失業保険申請件数
米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演

 英フィナンシャルタイムズ(FT)が米中通商協議に関して「最終合意が近い」と報じたこともあり、ドル円は昨日の東京時間夕方には111円58銭前後まで買われ、日足の重要な移動平均線が集まる111円台半ばを試す動きを見せました。まだ完全に上抜けしたとは言えませんが、今朝6時時点でも111円40銭台で推移しています。先週2.36%台まで低下した米長期金利も2.52%台まで切り返しており、やや円売りが優勢な状況になっています。

 舞台をワシントンに移して再開された米中通商協議は、FTが前向きな報道を行った一方、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は3日記者団に、「協議は順調に進展しているが、まだ合意に達しておらず、週内に近づくことを望む」と語っています。協議では、2025年までに大豆やエネルギーを含む米国の一次産品の輸入を拡大するほか、中国に進出した米企業に100%出資会社設立を認めることを公約する。この公約は拘束力があり、もし履行しなければ米国は報復措置を講じ得る。といった合意を目指している、とブルームバーグは伝えています。

 前日1.1188前後まで売られたユーロドルは今回も粘り腰を見せ反発しています。ユーロ圏3月のサービス業PMIとコンポジットPMIが上方修正され、2月の小売売上高も前月より改善していたことが材料になっています。ユーロドルは前回3月8日の下落時もこの辺りを底値に反発しており、この水準がもう一段下がるかどうかの分岐点になっていると思われます。ただ、チャートを見る限りユーロドルの下落傾向は鮮明です。

 これは「1時間足」から「日足」さらには「月足」に至るまで、右下に向かって描くことのできる「レジスタンスライン」が見事に機能しています。同時にこのレジスタンスラインは、一目均衡表の「雲」の上限辺りに沿って描くことができ、結局ユーロドルは、「一歩前進・二歩後退」を繰り返していることが見て取れます。この先、1.10を明確に下抜けするようだと、「月足」の雲の下限を抜けることから、さらに下落が加速することもテクニカル的には言えます。ユーロ圏では、域内の経済を牽引するドイツの景気後退が鮮明で、これがユーロ圏全体の景気後退につながっていると見られます。先日発表されたドイツの3月の製造業PMIは「44.1」と景気拡大か縮小の基準である「50」を大きく下回り、実に2017年7月以来となる低水準でした。ドラギ総裁は、今後も金融政策面から大規模な刺激策が必要との認識を示しています。このままさらに景気後退が続くかどうかは、上記米中通商協議の行方にも左右されると同時に、EUと米国の関税問題、さらには英国のEU離脱問題などにも影響され、見通しは甘くありません。

 ドル円が111円台半ばをしっかりと抜けて112円を試すのか、またユーロドルが1.12を大きく割り込んでいくのかどうかは明日の雇用統計次第です。昨日発表されたADP雇用者数は、予想を大きく下回りましたが、2月分が上方修正されたことから「相殺」された形になっています。直近3カ月単位で見れば20万人を超えており、依然として米労働市場は「好調」だと言えます。一方本番の雇用統計では、2月の非農業部門雇用者数が衝撃的な内容でした。果たして2月分は政府機関閉鎖などによる「一時的な現象だった」と言い切れるのかどうか注目したいと思います。本日のドル円は111円10銭~111円80銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)