米国FinTechベンチャーのR3社とSBIホールディングス <8473> のジョイントベンチャーとして設立されたSBI R3 Japanのキックオフミーティングが4月1日に東京・銀座で開催された。同ミーティングには、米R3社のCTOであるリチャード・ブラウン氏(写真)が参加し、企業向けのブロックチェーン・プラットフォーム「Corda」の特長や日本での展開について語った。
 
 R3社が開発したCordaは、分散台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)を活用した企業間取引のプラットフォーム。もともとは金融取引に特化したプラットフォームとして開発され、米R3社には、SBIホールディングス他、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> やみずほフィナンシャルグループ <8411> 、野村ホールディングス <8604> や大和証券グループ本社 <8601> など日本の大手金融機関、米シティグループ、独ドイチェバンク、仏BNPパリバ、英バークレイズなど、各国を代表する金融機関が出資している。
 
 Cordaの特長は、取引者間のみで情報共有が可能であり、かつ、異なるネットワーク間でのデータ移転が可能で業務要件に合わせた取引量の処理が可能な拡張性を併せ持っている点だ。従来のブックチェーンが改ざんができない・二重支払いが防止できるという利点を有しているものの全ての取引情報を全参加者にオープンにしてしまうことに対し、改ざんができない・二重支払いが防止できるという特性を持ちながら個別取引のデータを取引当事者間だけで共有してプライバシーが確保されるという特徴がある。金融取引等の守秘性の高い法人取引で広く活用できるプラットフォームになりえる。プログラム言語として広く使われているJavaの開発者が容易に開発・維持管理ができるという利点もあって、金融にとどまらず幅広い業種での活用が期待されている。
 
 すでにCordaを活用したプラットフォームは、金や銀の売買やCP(コマーシャルペーパー)の取引など市場取引(キャピタルマーケット)やシンジケート・ローン、トレードファイナンス、保険、決済など金融分野で活用されるだけではなく、KYC(顧客確認の手段)や、土地投機(住宅購入プロセスの効率化)、広告(広告詐欺の防止)、石油・ガス(ロイヤリティ支払い、CO2排出権取引)、ヘルスケア(患者ID共有など)、サプライチェーン・マネージメント(調達プロセスの効率化)などで幅広い分野で利用され始めている。
 
 SBI R3 Japanは、日本におけるCordaライセンス提供、および、導入支援、それらに先立つ企画立案等を行うほか、R3社の海外拠点やCordaパートナーとの連携支援も行う。商用化が広がり始めたブロックチェーン技術について、日本発の新たな試みを世界に広げていくことをめざすとしている。