英国のメイ首相と欧州連合(EU)が先に合意した離脱協定案に対する3回目の採決が、本日の英下院で行われる事になった。これまで2回の採決はいずれも反対多数で否決されており、採決を巡る権限を持つ下院議長は、同じ案を3回目の採決にかける事はできないとの判断を示していた。そこで政府は、協定案のうち「離脱条件」の部分のみを採決する事とし、議長もこれにゴーサインを出した。今後の通商関係などを定めた「政治宣言」を協定案から切り離す事によって、従来案とは「別物」とした政治的判断だ。

 とはいえ、与党・保守党と閣外協力関係にある北アイルランド民主統一党(DUP)が既に同案に反対の意向を示すなど、可決の見通しは立っていない。4月12日に「合意なき離脱」となるのか、5月22日までに「合意あり離脱」となるのか、あるいは最長1年の離脱延期を受け入れるのかを巡り、今回の採決が大きなヤマとなりそうだ。メイ首相は、「合意あり離脱」を目指し、辞任も辞さない構えで捨て身の努力を続けているが、「勝ち目のない戦い」に挑んでいるとの見方は少なくない。

 こうした中、足元ではポンド相場が弱含んでおり、ポンド/円は11日に付けた3月安値143.72円前後に迫る144.20円前後まで下落している。3回目の採決でも大差で否決となれば、月初来安値を更新する可能性が高まる。採決は今回も日本時間深夜から未明になると見られるが、ポンドを取引する上では見逃せない重要イベントとなりそうだ。

(執筆:外為どっとコム総合研究所  編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)