ドル円は欧州市場で110円70銭まで上昇したが、NY市場では米長期金利の低下を背景に110円29銭まで下落。ユーロドルではややドル買いユーロ売りが優勢に。ドラギECB総裁の発言に、ユーロが買われる場面もあったが、結局小幅に下落。株式市場は下落。景気の減速懸念が強まり、朝方上昇していたダウの上昇を抑え、ダウは32ドル安。債券相場は大きく上昇。長期金利は一時2.35%台まで低下し、2017年12月以来の低水準に。金は続落し、原油は反落。

1月貿易収支          →  -511億ドル  
 
ドル/円   110.29 ~ 110.58

ユーロ/ドル 1.1242 ~ 1.1283

ユーロ/円  124.05 ~ 124.61

NYダウ -32.14   → 25,625.59ドル

GOLD -4.60      → 1310.40ドル 

WTI  -0.53      → 59.41ドル 

米10年国債 -0.057 → 2.366%


本日の注目イベント

独  3月消費者物価指数(速報値)
欧  ユーロ圏2月マネーサプライ
欧  ユーロ圏3月消費者信頼感(確定値)
米  10-12月GDP(確定値)
米  2月中古住宅販売件数成約指数
米  新規失業保険申請件数
米  クオールズ・FRB副議長講演
米  ボウマン・FRB理事講演 
米  クラリダ・FRB副議長講演
米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演

 世界経済の減速懸念が強まっていることで資金が債券に向かい、世界的に金利が低下傾向にあります。米10年物国債の利回りは昨日一段と低下して一時、2.35%台を記録しました。これは2017年12月以来、1年3カ月ぶりの低水準です。ドイツ国債も買われ、ドイツの長期金利はマイナス金利を拡大させています。日本の長期金利もマイナス0.07%近辺まで低下しており、投資家が今後の景気の悪化を意識して、資金を安全資産に振り向けていることが窺えます。基本的には低金利を歓迎する株式市場も、昨日は景気の悪化を懸念する声が優勢となり下落しています。

 昨日は余り材料が見当たらず、ドル円も欧州時間には110円70銭前後まで買われましたが、NYに入ると金利低下に押されて、110円29銭まで売られています。値幅も30銭程度で小動きでした。そんな中、話題はトルコリラでした。

 トルコリラの下落を防ぐため、トルコ政府は国内の銀行に流動性を提供しないよう圧力をかけており、リラ建て資産を放出したい海外のヘッジファンドは身動きがとれなくなっているとブルームバーグは報じています。これによってリラの急落は阻止されているものの、CDSのスプレッドは急上昇しています。昨日のオフショア市場では、リラを借り入れるオーバーナイト・スワップレートが1000%に達したようです。JPモルガン・チェースは先週、トルコリラ売りを勧め、急落を引き起こしましたが、24日にはエルドアン大統領が、投機に加担した銀行を罰すると警告を発していました。ただリラ安の主因は、高止まりしているインフレ率に対する金融政策の遅れや、外交問題などにあり、これでリラ安が止まるとも思えません。

 ドラギ総裁はフランクフルトの会議で、緩和的な政策姿勢は依然として必要だと語った上で、域内の経済成長が最終的には加速することに自信を示しました。総裁は、「想定より持続的な外需の悪化に直面しているが、まだ必ずしも深刻な低迷の前兆ではない」と述べ、労働市場が持ちこたえているとの認識を示しました。

 本日はFOMCメンバーの中でも影響力の大きいと見られる、FRBの副議長や理事の講演が多く予定されています。個人的にはクラリダ副議長とウィリアムズNY連銀総裁の講演内容に注目しています。FRBの金融政策は引き締めからニュートラルに舵を切り替えてきましたが、市場では「利下げ」が意識され始めています。ハト派の代表格の一人である、シカゴ連銀のエバンス総裁は「利下げが必要な状況があるかしれない」と、利下げの可能性に言及しています。主要メンバーの誰かが利下げに前向きな発言をするようなら、米長期金利がさらに低下し、ドル円を押し下げることにもつながります。

 本日のドル円は大きな波乱がないようなら、110円10銭~110円80銭程度で推移すると予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)