米総合不動産サービス大手のジョーンズ・ラング・ラサール(Jones Lang LaSalle=JLL)が先般発表したベトナムの小売スペース市場に関する報告で、同市場の傾向が変化していることが分かった。

  この背景には、商業施設が、飛躍的な成長を遂げている電子商取引(eコマース=EC)との競争に晒されていることがある。

  JLLの報告によると、2018 年末時点におけるホーチミン市とハノイ市の2大都市の小売りスペースは合わせて200万m2余りで、入居率はホーチミン市が89.7%、ハノイ市が88.1%となっている。

  商業施設などを運営する不動産業者は、オンラインショップと競争し、入居率を引き上げるとともに来店客を増やすため、小売り分野以外のテナントの開拓を強化する戦略を取っている。

  こうした中、◇語学センターなどの教育施設、◇コワーキングスペース、◇フィットネスジムの3事業を手掛ける企業にも商業施設のスペースを好む傾向が窺える。賃貸面積が500~数千m2で、契約期間が5~10年の長期契約が多いという。

  商業施設内で語学センターなどの教育施設やコワーキングスペース、フィットネスジムを運営することは、商業施設とテナントの双方にとって有益になると見られている。

  商業施設は、買い物や飲食から、学習、仕事、運動までを1か所で済ませることができるワンストップサービスの場所に変貌することで、オンラインショップとの差別化を図ることができる。

  一方で、教育施設やコワーキングスペース、フィットネスジムも、潜在的顧客である商業施設の来店客を開拓するチャンスが増えるものと期待されている。

  こうした傾向は今後10年にわたって続くものと見込まれている。(情報提供:VERAC)