米中貿易協議が難航する中、中国経済の先行きに不透明感が強くなっている。中国政府は固定資産投資を拡大すること等で景気の極端な落ち込みを防ぐ姿勢を示している。大和総研経済調査部の主席研究員、齋藤尚登氏は3月19日に「低空飛行の中国経済、下支え役はやはり投資」と題したレポート(全8ページ)を発表し、最新の経済指標等を分析した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆全人代で国家発展改革委員会が行った報告では、2018年の44項目の予期性目標のうち、社会資金調達金額残高の伸び率と都市一人当たり可処分所得の実質伸び率の2項目が未達成であったことが明らかにされた。この2項目は中小企業への金融サポートの難しさと、消費刺激の難しさを端的に示しており、今後もその動向が注目される。
 
◆2019年1月~2月の主要経済統計を見ると、消費は低空飛行となり、貿易は昨年12月からの前年割れが続いた。こうした中で加速したのが固定資産投資であった。内訳を見ると、製造業投資が米中「ハイテク」摩擦に関連する分野を中心に減速した一方で、不動産開発投資とインフラ投資が加速している。このうち、今後も加速が期待されるのがインフラ投資である。3月の全人代では、インフラ投資のための資金調達手段である地方政府特別債券のネットの発行額は、前年予算比8,000億元(約13.3兆円)増の2兆1,500億元(約35.9兆円)と発表され、重点インフラ投資の建設を資金面でサポートするとした。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)