ドル円は111円台で推移。米中協議に対する明るい見通しがやや後退したことで111円23銭まで売られる。ユーロドルも動きが鈍い中、ややドル安ユーロ高方向に推移し、1.1361前後まで上昇。

 株式市場は強弱まちまち。ダウは3日ぶりに下落したが、ナスダックは続伸。債券相場は小幅に続落。長期金利は2.61%台へと小幅に上昇。金は反発し、原油は反落。

ドル/円   111.23 ~ 111.47
ユーロ/ドル 1.1338 ~ 1.1361
ユーロ/円  126.29 ~ 126.61
NYダウ   -26.72 → 25,887.38ドル
GOLD   +5.00  → 1306.50ドル
WTI    -0.06  → 59.03ドル
米10年国債 +0.009 → 2.612%

 
本日の注目イベント

日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(1月22日、23日分)
独  2月生産者物価指数
英  2月消費者物価指数
米  FOMC 政策金利発表
米  パウエル議長記者会見

 引き続き市場の材料は「米中通商協議」と「英国のEU離脱」問題しかなく、昨日はその材料にも反応薄で、ドル円もユーロドルも、NY市場での値幅は23~24ポイントでした。市場参加者のストレスも溜まる一方で、大きく動き出した時の反応が懸念されます。

 米中通商協議に対する明るい見通しがやや後退してきました。ブルームバーグによると、中国の交渉担当者は知的財産権に関する政策の変更に同意しながらも、中国製品への関税を撤回するとの確約をトランプ政権から得られていないとみて、スタンスを変えていると、事情に詳しい関係者の話を紹介しています。中国はまた、医薬品のデータ保護を巡る当初の約束を後退させたほか、「パテントリンケージ」改善計画の詳細を示しておらず、データサービスに関する問題でも譲歩を拒否しているとし、中国側は、通商合意で規定されるルールは中国の法律に準拠する必要があるとの文言を盛り込もうとしていると報じています。このように、合意に向けた話し合いは進められてはいるものの、最後の微妙な部分ではお互いに譲れない「かけひき」があると見て取れます。

 一方でトランプ大統領は19日も、「中国との交渉は極めて順調に進んでいる」と述べています。USTRのライトハイザー代表とムニューシン財務長官は合意をまとめるため、来週北京を訪れ、中国高官との協議に臨みます。また、さらにその翌週には劉鶴副首相がワシントンを訪問する予定であることも報じられており、トランプ氏は、このあたりの予定を評価しているようです。

 もう一つの材料である「Brexit」もさらに先行きが不透明になってきました。昨日もこの欄で述べたように、英下院議長が、メイ首相の修正案の内容に大きな変化がない限り、「3回目の採決はない」と語ってことで、本日から2日間にわたって行われるEU首脳会議には、英議会の承認を得た修正案を提出すことは事実上不可能になっています。メイ首相は、来週にも修正案を議会に問い、自らの案を支持するのか、あるいはEU離脱を長期延期するのかの二者択一を迫る可能性があります。今朝の報道では、引き続き混乱は避けられず、結局延期は2年先までずれ込むといった観測も出て来たようです。

 FOMC政策発表は日本時間明日の朝方3時です。金利は据え置きと見られますが、上述のように市場の動きが鈍く、材料に事欠いている状況が続いているだけに、市場関係者のFOMCにかける想いは強いと言えるかもしれません。景気認識、インフレ目標、あるいはバランスシートの縮小に関してどのような見方を示すのか注目されます。またパウエル議長は先日、ドットプロット(金利予測分布図)についてもその弊害を指摘しており、今後廃止し、それに変わる新たな手法を模索していることを示唆していました。この部分についても言及があるかもしれません。ドル円はそれでも動かないかもしれませんが、「大きく動く可能性がある」ことを意識して臨むことが重要です。予想レンジは110円80銭~111円80銭程度を見込んでいます。

 本日のレンジは111円10銭~111円80銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)