ドル円は東京時間に111円90銭まで買われたが、NYでは軟調な経済指標からドルが下落。111円38銭前後まで売られ、111円45-55銭で越週。ユーロドルは反発。1.1345までユーロ高が進み、終始1.13台で推移。

 株式市場は上昇。中国が景気刺激策の堅持を表明したことで、ダウは138ドル高。ナスダックとS&P500も揃って上昇。債券相場は上昇。長期金利は2.6%を割り込み、1月初旬以来となる2.58%台まで低下。金は反発し、原油は小幅に反落。

米3月NY連銀製造業景況指数         → 3.7%
米2月鉱工業生産               → 0.1%
米2月設備稼働率               → 78.2%
米 3月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 97.8

ドル/円   111.38 ~ 111.73
ユーロ/ドル 1.1300 ~ 1.1345
ユーロ/円  126.12 ~ 126.50
NYダウ   +138.93 → 25,848.87ドル
GOLD   +7.80   → 1302.90ドル
WTI    -0.09   → 58.52ドル
米10年国債 -0.043  → 2.587%

本日の注目イベント

日  2月貿易収支
日  1月鉱工業生産(確定値)
欧  ユーロ圏1月貿易収支
米  3月NAHB住宅市場指数

 中国は4月1日付で付加価値税を引き下げ、経済下押し圧力への対応として大規模減税などを実施すると、全人代の閉幕に際し李克強首相が記者会見で表明しました。李首相は、「経済への下押し圧力に対応して強い措置を取る必要がある」と述べ、さらに、「無差別なアプローチは短期的にはうまくいくかもしれないが、将来の問題につながる可能性がある。従って、これは実行可能な選択肢ではない。われわれの選択は市場参加者が活性化することだ」と語り、暗に、トランプ政権が仕掛けた貿易戦争を批判しています。(ブルームバーグ)減税の規模は2兆元(約33兆円)との見方が有力です。

 景気減速が鮮明な中国は、あらゆる景気刺激策を駆使し、これ以上の景気の落ち込みを防ぎたいところです。そのためには、まだ最終合意には至っていない、米国との通商協議をまとめ、米国による関税引き上げは何としても避けなければなりません。ただ、そのためにはトランプ大統領と習近平国家主席が直接会い、会談する必要があります。当初、今月27日あたりに予定されていた首脳会談は4月にずれ込む見込みですが、香港の有力紙は会談が6月にずれ込むと報じています。

 トランプ大統領がメキシコ国境での壁建設費を確保するために行った「非常事態宣言」の先行きもそう簡単ではないようです。米上院はこの「非常事態宣言」を無効とする決議案を14日可決しました。上院は与党共和党が過半数を維持している「安全圏」と見られていましたが、共和党から12人の造反があり、無効が決議された模様です。さらに、トランプ大統領はこれに対しては「拒否権」を発動しており、何としても資金の確保を狙っています。議会も、拒否権を無効としたいところですが、これには議会の3分の2以上の反対が必要で、造反者が出たとはいえ、これを覆すことは難しそうです。ただ、司法の判断も残されており、先行きは不透明です。

 ドル円は先週末111円90銭まで買われましたが、今回も112円乗せには失敗しています。112円がやや「壁」になりつつあるように思えますが、それでも米長期金利が2.6%を大きく割り込んでいる状況では、ドル円は健闘していると言えます。先週も触れましたが、米金利は低下したとはいえ、まだ主要国の中では「高い」と見られていることなど、ドルに魅力があるということでしょうか。ただ、このままの状況が続くかどうかは非常に不安であり、懸念されます何かのタイミングでドル円が米長期金利の低下傾向に「収斂」されてくることも十分考えられます。その時は ドル円のボラティリティーも急速に上昇すると予想されます。

 本日のドル円は111円20銭~112円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)