ドル円は良好な経済指標とユーロが売られたことに反応し、112円13銭までドル高が進み、昨年12月20日以来となるドル高水準を記録。ただ112円台は維持できず、111円85-90銭まで押し戻されて取り引きを終える。ユーロドルは続落。米経済指標を手がかりに1.1290までユーロ安が進む。

 株式市場は良好な経済指標を材料にプラス圏で推移していたが、引けにかけて売られる。ダウは続落し13ドル安。債券相場はほぼ横ばい。長期金利も2.72%前後で推移。金は7日続落。原油は小幅に反落。

12月新築住宅販売件数   → 62.1万件
2月ISM非製造業景況指数 → 59.7
1月財政収支        → 87億ドル

ドル/円   111.79 ~ 112.13 
ユーロ/ドル 1.1290 ~ 1.1335
ユーロ/円  126.36 ~ 126.82
NYダウ   -13.02 → 25,806.63ドル
GOLD   -2.80  → 1284.70ドル
WTI    -0.03  → 56.56ドル
米10年国債 -0.004 → 2.719%

本日の注目イベント

豪   豪10-12月期GDP
トルコ トルコ中銀政策金利発表
欧   OECD経済見通し
米   2月ADP雇用者数
米   12月貿易収支
米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
加   カナダ中銀政策金利発表
加   カナダ12月貿易収支

 底堅い動きが続いているドル円は、昨日のNY市場では再び112円台に乗せ、一時は112円13銭までドル高が進みました。先週末に記録したドルの直近高値である112円08銭を抜けたことで、もう一段の上昇を予想する向きもありましたが、今回も押し戻され、112円台定着は失敗に終わっています。ユーロドルが再び1.13を割り込んできたことで、ドル円でも円売りが強まった側面が強く、引き続きユーロドルやポンドドルの動きに引っ張られる展開が続いています。

 ポンペオ国務長官は5日米通信社とのインタビューに応じ、トランプ大統領は中国との通商協議で「完璧なディール」を確保できないかぎり、合意に背を向ける構えであることを明らかにしました。ポンペオ氏は「うまくいかないのであれば、われわれは声高に抗議を続ける」と述べ、中国との通商交渉はうまく行ってはいるものの、トランプ政権としてはあくまでも妥協しない姿勢を見せたものと見られます。先週世界に驚きを与えた米朝首脳会談での「物別れ」も、背景にはポンペオ氏の考えがトランプ大統領の署名を阻止したとの報道もあるように、ポンペオ氏は米中通商協議でも、重要な役割を演じているのかもしれません。今月27日には米中首脳が直接会って「合意」に達すると見られていますが、最後の最後まで安心はできないということのようです。

 昨日発表されたISM非製造業景況指数は、市場予想を上回り堅調でした。また、発表が遅れていた12月の新築住宅販売も予想を上回り、減速が続いている住宅市場にやや底入れ感も出ています。ドル円はこれら経済指標の上振れを好感して上昇した面もあり、年内の利上げに否定的な市場の見方に影響を与えたものです。利上げに関してボストン連銀のローゼングレン総裁は昨日講演を行いましたが、内容はパウエル議長と歩調を合わせたものでした。総裁は、「一連のリスクが現実になりつつあるかどうか、金融当局がはっきり分かるようになるには、数回のFOMC会合が必要かもしれない」と語り、「辛抱強くなって、時間をかけてリスクを評価するには良い機会だ」と述べています。結局、今年利上げがあるのかどうかは「今後の経済データ次第」という、パウエル議長の見解と一致しています。因みに同総裁は今年のFOMCでの投票権を持っています。

 112円台定着には失敗しましたが、ドル円は底堅い動きが続いています。それでも意識されるのは「週足」200週移動平均線が位置する112円35銭前後です。今回の動きは昨年7月の動きにやや類似しているとも考えられます。この時は104円台を記録した後、ドル円は113円台まで上昇に転じ、200週移動平均線が抜けずに109円台後半まで、3円以上も押し戻されています。一応、頭の片隅には入れておくべきでしょう。

 本日のレンジは111円40銭~112円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)