ドル円は続伸し、約2カ月ぶりに112円台に乗せる。米長期金利の上昇や米中首脳会談が早ければ今月中旬にも行われるとの報道がドルの支えに。ドル円は112円08銭まで買われ、111円85-90銭前後で越週。ユーロドルはほぼ前日の水準と変わらず。1.13台半ばから1.14前後で推移。

 株式市場は反発。米中通商協議が最終合意に達する可能性が高いことなどを好感。ダウは110ドル上昇し、3営業日ぶりに2万6千ドルの大台を回復。債券相場は大きく売られる。長期金利は約1カ月ぶりに2.75%台まで上昇。金はドル高の影響から続落し、1300ドルの大台を割り込む。原油価格も大幅に下落し55ドル台に。

米 12月個人所得         → 1.0%
米 12月個人支出         → -0.5%
米 12月PCEコアデフレー    → 1.7%
米 1月個人所得          → -0.1%
米 2月ISM製造業景況指数    → 54.2
米 2月ミシガン大学消費者マインド → 93.8

ドル/円   111.64 ~ 112.08
ユーロ/ドル 1.1355 ~ 1.1409
ユーロ/円  127.14 ~ 127.50
NYダウ   +110.32 → 26,026.32ドル
GOLD   -16.90  → 1299.20ドル
WTI    -1.42   → 55.80ドル
米10年国債 +0.038  → 2.753%

 
本日の注目イベント

豪   1月住宅建設許可件数
日   2月マネタリーベース
トルコ 2月消費者物価指数
欧   ユーロ圏1月生産者物価指数

 ドル円は約2カ月ぶりに112円台を回復しました。先週もこの欄で、111円30銭前後にある日足の「200日移動平均線」を明確に超えると、上昇余地があると述べましたが、やはりこの水準を抜けるとストップロスのドル買いなども巻き込まれ、比較的早い速度で上昇しています。

 ドルの上昇の原動力は米長期金利の上昇でした。先週末に発表された経済指標はISM製造業景況指数や、発表の遅れていた昨年12月の個人消費・支出も低調で、1月の個人所得も予想を下回っていました。1月のFOMC以降、急速に後退している市場の利上げ観測ですが、週末の相次ぐ軟調な経済指標の発表で利上げ期待がやや復活し、米債券売りにつながり、長期金利の上昇からドルが買われたと推測できます。また一時「休戦」状態の米中通商協議の行方も株価やドルにプラスに働いたと思われます。

 ブルームバーグは、政治的な障害が依然残っているものの、米中首脳会談は早ければ今月中旬にも開催される可能性を報じ、またウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も、中国は米国からの農産物、化学製品、自動車などの輸入品に対する関税を引き下げることを提案し、米国側も昨年から中国製品に適用してきた制裁について、大半を撤回する検討をしているとして、米中が通商合意に近づいていると報じています。

 トランプ大統領は2日メリーランド州で開かれた保守派の会議で、為替と金融政策について言及しています。大統領は「私は強いドルを好むが、米国にすばらしく作用するドルが望ましいと考え、米国が他国とのビジネスを行うことができなくなるほどの強すぎるドルは望んでいない」と述べ、さらにパウエルFRB議長を批判したとも取れる発言も行っています。「FRBには量的引き締めを愛し、非常に強いドルを好むジェントルマンがいる」とトランプ氏は発言しています。今回の発言は市場には影響がなかったものの、ドル円がさらに上昇した際にはトランプ氏の口から「ドル高」をけん制する発言が出てくることは明らかで、今後とも意識しておくことは必要です。

 112円台まで上昇したドル円は、今朝も111円台後半で推移しており、再び112円を窺う動きを見せています。円安が進み、米国株も上昇したことから本日の日経平均株価も堅調推移するものと思われます。いつものように、その際にドル円がどこまで上値を試せるのかが焦点です。上値には「週足」の20週移動平均線が112円35銭前後にあります。目先はこのレベルが重要かと思います。110円前半~111円前半の狭いレンジを上抜けしたことで、ドル円はしばらくは堅調に推移すると予想しています。

 本日は111円40銭~112円30銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)