ドル円は111円台を回復できず。パウエル議長の議会証言は影響がなく、長期金利が低下したことで110円41銭までドル安が進む。ユーロドルは反発。ドルが売られたことで、直近レンジの上限と見られる1.1402まで上昇。

 前日比小安く始まった株式市場は、消費者信頼感指数など良好な経済指標に反応しプラスに転じたが、その後反落。ダウは33ドル下げ、他の主要指数も小幅ながら下落。債券相場は反発。長期金利は2.63%台へと低下。金と原油は小動きながらまちまち。


12月住宅着工件数        → 107.8万件
12月建設許可件数        → 132.6万件
12月FHFA住宅価格指数    → 0.3%
12月ケース・シラ-住宅価格指数 → 4.2%
2月消費者信頼感指数       → 131.4
2月リッチモンド連銀製造業指数  → 16

ドル/円   110.41 ~ 110.88 
ユーロ/ドル 1.1345 ~ 1.1402
ユーロ/円  125.71 ~ 126.03
NYダウ   -33.97 → 26,057.98ドル
GOLD   -1.00  → 1328.50ドル
WTI    +0.02  → 55.50ドル
米10年国債 -0.027 → 2.636%

本日の注目イベント

欧  ユーロ圏1月マネーサプライ
欧  ユーロ圏2月消費者信頼感(改定値)
米  1月中古住宅販売件数成約指数
米  12月耐久財受注
米  米朝首脳会談(ベトナムで28日まで)
米  パウエル・FRB議長、下院銀行委員会で証言
加  カナダ1月消費者物価指数


 パウエルFRB議長が上院で半期に一度の議会証言を行いました。議長は、インフレ圧力が抑制される中、FOMCは、金融当局の行動や世界・金融情勢、そして政府政策に関する不確実性が続いていることによる累積的な影響から、将来の政策変更に関して「辛抱強い」アプローチを取ることが正当化されると判断し、政策金利据え置きを決定したと説明しました。

 1月FOMC終了後の記者会見で述べた言葉に沿った説明でしたが、その上で議長は、「この先、われわれの政策判断は引き続きデータ次第となり、経済情勢や見通しの展開に伴い、新たな情報を考慮する」と述べています。(ブルームバーグ)この点に関しても、データ次第では利上げの可能性は排除していないと考えられます。今後のリスクについての言及もあり、「昨年の金融市場は、年末に近づくにつれて変動性が高まった。金融環境は現在、昨年の早い段階ほど成長を支えていない」とし、その原因の一部として「海外の一部主要経済で成長が減速しており、中国と欧州で特に顕著だ」と指摘しています。昨日の証言では、これまでと比べ特段新鮮味はなく、市場への影響はニュートラルでした。

 ドル円は結局今回も111円台は維持できず反落しています。昨日は、2月の消費者マインドが市場予想を上回り、ドル円と株価を押し上げる場面もありましたが、短命に終わっています。こうなるとドルの上値が重いのか、それとも底値が堅いのか、判断に迷うところですが、そのカギを握っているのは米長期金利の動きだと考えています。

 米10年債利回りはFOMCが1月30日に「辛抱強くなれる」との文言を発表して以来、12bp強の狭いレンジで推移しています。昨年11月には3.2%台まで急騰した10年債利回りでしたが、金利急騰を嫌気して株価が直近高値から20%以上も下げたことで、債券が買い戻され長期金利は2.5%台まで低下した経緯があります。今月に入ってからは2.6台から2.7%台での狭いレンジで推移しており、この金利がどちらにブレイクするかで、ドル円の水準も決まってくると予想されます。

 本日はパウエル議長の下院での議会証言がありますが、材料にはなりにくいと思われ、米朝首脳会談も同様かと思います首脳会談は日本時間午後8時40分から行われる予定になっているようですが、明日の午前中にも予定されています。

 本日に予想レンジは110円20銭~111円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)