米中貿易戦争が一旦「休戦」することが決まったことを受けて、ドル円は上昇。111円24銭までドルが買われ、約2カ月ぶりのドル高をつける。ユーロドルはほぼ変わらず。ドル円ほどドル高が進まず、1.13台半ばで推移。ユーロ円が買われ、昨年末以来となる126円30銭前後までユーロ高円安が進む。中国に対する関税引き上げが回避されたことを好感し株価は続伸。ダウは60ドル、ナスダックも26ポイント上昇。債券相場は小幅ながら続落。リスク選好が進み、安全資産の債券に売りものが増えた。長期金利は2.664%台に上昇。金と原油は反落。原油価格はトランプ大統領が高すぎると批判したことで大幅安。前日比1.78ドル下落し、55ドル台に。


ドル/円 110.73 ~ 111.24 

ユーロ/ドル 1.1337 ~ 1.1367</td></tr>

ユーロ/円  125.72 ~ 126.30

NYダウ  +60.14  → 26,091.95ドル

GOLD -3.30 → 1329.50ドル 

WTI -1.78 → 55.48ドル 

米10年国債  +0.012→ 2.664%

本日の注目イベント

独  独3月GFK消費者信頼感
英  カーニー・BOE総裁、議会委員会で証言
米  12月住宅着工件数
米  12月建設許可件数
米  12月FHFA住宅価格指数
米  12月ケース・シラ-住宅価格指数
米  2月消費者信頼感指数
米  2月リッチモンド連銀製造業指数
米  パウエル・FRB議長、上院銀行委員会で証言


 米中通商協議が進展し、最終合意には至っていないもののトランプ大統領は「大きな進展があった」と評価し、3月1日の交渉期限を延長し、中国に対する関税引き上げの発動も延期することを表明しました。トランプ氏は「米国が中国との貿易協議で知的財産権保護と技術移転、農業、サービス、通貨や他の問題を含めて重要な構造問題でかなり前進した」とツイートし、「こうした非常に生産的な協議の結果、私は3月1日に予定していた米国の関税引き上げを延期する」と表明しました。

 金融市場は、予想していたとはいえ、明確な「休戦」状態に入ったことを評価し、リスク選好から円がドルをはじめ、主要通貨に対しても売られ、ドル円は昨年12月27日以来となる111円24銭まで円安が進みました。また米株式市場では株価が続伸し、ダウは約4カ月ぶりの高値を記録し、債券も売られ長期金利は小幅ですが上昇しています。

 昨日のNY市場では、特に円が売られた印象ですが、それでも上値の重要なレジスタンスと見られている「日足」の200日移動平均線は抜けていません。現在111円30銭前後にありますが、この水準をしっかりと上抜けできればもう一段の上昇余地があると予想しています。現在の水準からはそれほど遠くはない水準ですが、東京時間に完全に上抜けすることができるかどうか、注目されます。手の届く水準ですが、簡単ではないと予想しています。

 本日の材料は、まずベトナムで行われる米朝首脳会談です。焦点は北朝鮮が完全な非核化を受け入れるのかどうかという点です。トランプ氏はハノイに向け出発する前に、「完全な非核化を進めれば、北朝鮮はすぐに経済大国になるだろう。非核化しなければ、同じような状況が続くだけだ」と述べています。(ブルームバーグ)

 また本日はFRBのパウエル議長の証言が米議会上院であります。ここで議長が、金融政策に慎重な姿勢を見せるようだと、株価は上昇し、ドルが売られる展開も想定できます。保有資産の縮小についても、1月のFOMC議事録では「多くの委員が年内の縮小終了を予想している」ことが判明しており、ここでも利上げ停止と同じような効果が見込めます。このような内容に沿った証言であれば、市場への影響は限定的と予想しています。

 EUからの離脱問題で混迷を深めている英国でも、本日はメイ首相がEU離脱手続きを定めるリスボン条約50条の適用延長問題を閣議の議題にする予定です。「Brexit」を巡り与野党から多数の離脱者が出ている英議会は非常に混乱しており、いまだに「合意なき離脱」に追い込まれるのか、あるいは「国民投票」が再び実施されるのか、出口の見えない状況が続いています。EU離脱を巡って、ポンドやユーロが対ドルで大きく売られる展開になるようだと、ドル円も上記レジスタンスを抜けないとは言い切れません。引き続き欧州通貨の動きもカギになります。本日のレンジは110円70銭~111円50銭程度と予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)