ドル円は110円台半ばから後半で推移。米長期金利がやや低下し、ドルが売られたものの110円台半ばで下げ止まる。結局先週は110円台を上へも下へも抜け切れない展開に終始。ユーロドルも1.13台でもみ合い、方向感のない動きが続く。

 株式市場は反発。米中貿易協議の進展を好感しダウは181ドル上昇。約3カ月半ぶりに2万6000ドルの大台を回復。債券相場は反発。米中貿易協議での進展の兆しを好感し買い優勢となり上昇。長期金利は2.65%台へ低下。金と原油は反発。

ドル/円   110.56 ~ 110.89
ユーロ/ドル 1.1317 ~ 1.1356
ユーロ/円  125.27 ~ 125.66
NYダウ   +181.18 → 26,031.81ドル
GOLD   +5.00   → 1332.80ドル
WTI    +0.30   → 57.26ドル
米10年国債 -0.041  → 2.652%

本日の注目イベント

日  2月景気先行指数(改定値)

 米中通商協議は3月1日の交渉期限を前に、精力的な話合いが続き、双方の妥協点を探る最終的段階に差し掛かっているようです。米国と中国は22日までの閣僚級会議で、中国による米国製品の輸入拡大や人民元誘導の制限で大筋合意しました。ただ今朝の報道では、為替条項での合意という非常に重要な問題では両国の意見は一致しておらず、引き続き交渉は続けられていると伝えられています。

 最終合意には両国のトップが署名する必要があるため、ベトナムでの米朝首脳会談を27、28日に予定しているトランプ大統領が、米中の最終協議に臨むのは物理的にも不可能で、トランプ氏は交渉期限を1カ月延長する方向で検討しているとの報道もあります。この結果、中国製品2000億ドル(約22兆1000億円)への関税引き上げは回避できそうな見通しです。交渉責任者であるライトハイザー米通商代表部(USTR)委員長は、中国の産業政策の抜本的な見直しを求めており、最終合意には至っていないとの報道もあります。

 また中国との交渉を巡って、トランプ氏とライトハイザー氏との関係がぎくしゃくしているとブルームバーグは報じています。トランプ氏の不満は交渉の際に、「覚書」という形式をとったことに対するもので、「覚書」は何の意味ももたないとするトランプ氏のこれまでのビジネス経験に基づいたもののようです。

 先週もこの欄で述べましたが、米中通商協議での合意を目指す交渉が進展している一方、EUとの貿易問題が新たな課題として出てきました。EUはトランプ政権がEUからの自動車や部品の輸入に追加関税を発動した場合、キャタピラーやゼロックス、サムソナイトといった米国製品に報復関税を課す準備に入っています。報復関税の対象となる米国製品は200億ユーロ(約2兆5000億円)にのぼるとみられています米中貿易問題に比べまだ規模は小さいものの、こちらも「報復合戦」に発展する可能性を秘めています。

 先週1週間のドル円はほとんど動きがなかったと言っていい状況でした。連日同じような水準であったため、実需や個人投資家の動きも乏しく、それがさらに値動きを小さくしたようです。今週は活発な値動きを期待したいところですが、やや材料難の感は否めません。パウエル議長の議会証言が予定されていますが、ここでは従来通り、「ハト派的」な内容になる可能性が高いと予想されます。

 本日のレンジは110円50銭~111円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)