中国の政府経済成長率目標などの主要経済目標が発表される全国人民代表大会(全人代)が3月5日から開催される。今年は昨年のGDP成長率6.5%前後より低い目標が設定されると目されているが、結果はどうなるだろう? 大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は2月21日、「中国:急減速回避でたまるツケ 再びの投資依存とリスク含みの貸出急増」と題したレポート(全8ページ)を発表し、中国が過度な景気対策を実施した場合、将来に禍根を残す恐れがあると警戒した。レポートの要旨は以下の通り。

◆2019年の政府成長率目標は前年比6.0%~6.5%(以下、変化率は前年比、前年同月比)というレンジで提示される可能性が高く、2018年の6.5%前後から引き下げられることになろう。成長率目標が下げられること自体は問題ではない。既に中国は、2017年10月の党大会で経済の「中高速成長」を放棄し、「質の高い発展」を目標に掲げた。問題は中国経済が想定以上に減速するリスクが高まり、それを回避するために「質の高い発展」路線を堅持する余裕がなくなることである。

◆2019年の中国経済は投資への依存度を再び高める可能性が高い。1月の社会資金調達金額の急増はリスク含みの可能性がある。デレバレッジ(負債率引き下げ)が棚上げされ、負債率をさらに高めることは、将来的な金融リスクを一段と高めることに他ならない。もちろん、中国政府がこれをよしとしなければ、2月以降は出しすぎた分が調整される可能性がある。この場合は資金面の景気へのサポートが再び弱体化することになる。中国政府の経済政策運営のかじ取りの難しさは一段と増していよう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)