南アフリカ政府は、明日20日に2019年度の予算案を発表する。予算案には実質破綻状態にある国営電力会社エスコムの救済策が盛り込まれる見通しだ。
なお、エスコムは300億ドル以上の債務を抱え、電力の安定供給さえもままならない危機的な経営状態に陥っている。エスコムを所管する南ア公共企業省は、エスコムが救済を受けられなければ4月までに「消滅」するとの見通しを示しており、政府による迅速な救済が不可欠と見られている。

 問題は、南ア政府が財政赤字を膨張させる事なく、エスコムの救済に十分な策を打ち出せるかだ。仮にエスコム救済によって同国の財政赤字が急拡大する見通しとなれば、国債格下げリスクが高まる事になろう。もし、ムーディーズが格下げに動けば、大手格付け会社三社すべての評価が「投資不適格級」となってしまう。

 一方で、南ア政府が緊縮型予算を発表すれば、ひとまず財政不安は和らぐ反面、エスコムの救済には不十分と評価される可能性もある。歳入不足を補うために昨年度に続き増税などを打ち出せば、国民に痛みを強いる事になり、5月に迫った総選挙への不安(ラマポーザ政権弱体化への不安)が高まる事にもなりかねない。エスコムの救済と緊縮財政と政権の安定運営のバランスに向けた南ア政府の舵取りが注目されよう。(執筆:外為どっとコム 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)