ドル円は米中通商協議が引き続き行われることを好感し110円68銭まで買われたが、鉱工業生産指数の悪化で上値は重く110円台半ばで引ける。ユーロドルは軟調となり1.1234まで下落。1.13を挟む展開が続く。

 株式市場は大幅に上昇。米中協議の継続や、政府機関閉鎖が回避されたことを好感。ダウは443ドル上昇し、昨年11月11日以来となる2万5800ドル台を回復。債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.66%台へと小幅に上昇。金と原油はともに上昇。


2月NY連銀製造業景況指数        → 8.8
1月輸入物価指数             → -0.5%
1月鉱工業生産              → -0.6%
1月設備稼働率              → 78.2
2月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 95.5

ドル/円   110.38 ~ 110.64 
ユーロ/ドル 1.1234 ~ 1.1306
ユーロ/円  124.34 ~ 124.83
NYダウ   +443.66 → 25,883.25ドル
GOLD   +8.20   → 1322.10ドル
WTI    +1.18   → 55.59ドル
米10年国債 +0.006  → 2.663%

本日の注目イベント

米  株式、債券市場休場(プレジデンツデー)


 北京で開かれていた米中通商協議が先週末で終了しました。中国による米国製品の輸入拡大など、一定の前進は見たものの、技術移転問題や構造改革問題ではなお米中間では溝があり、協議は来週も引き続き舞台をワシントンに移して行われることになりました。

 ライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官は協議終了後習近平国家主席と会いましたが、習主席は「食い違いは協力で解決したいが、協力には当然原則がある」と語り、米国が求める構造改革が中国の体制に抵触する可能性があることを示唆したものと受け止められています。3月1日期限まで残すところ10日程しかありませんが、今回の会合を終えてトランプ大統領は、「合意に近く、正しい方向に向かっていれば、延長する可能性はある」と語っており、「いつかの時点で中国の習近平国家主席と会う」とも述べています。

 そのトランプ氏は15日、超党派の予算案には署名し、政府機関の再閉鎖を避けましたが、同時に国家非常事態宣言にも署名し、壁建設費として計81億ドル(約9000億円)を確保し、あくまでもメキシコ国境に壁を建設する意向です。これに対して民主党や一部共和党内からも反対の声が上がっており、最終的には最高裁で判断されるとの見方のようです。

 ドル円は110円台でもみ見合いが続いています。今回の米中協議や政府機関閉鎖問題がきっかけとなって、どちらか一方に大きく動くと期待していましたが、動意を見せずに110円台に
留まっています。株式市場では、ダウが約3カ月ぶりに高値まで買われていますがドル円との相関は弱く、影響はほとんどありません。米長期金利に動きがなく、足もとのドル円は金利の動きを反映して可能性があります。

 先週末には比較的重要な米経済指標も多く発表されました。鉱工業生産指数が予想を下回ったものの、NY連銀製造業景況指数など、他の多くの指標は良好でした。依然として米景気はまだら模様ではあるものの、リセッションに入る可能性は低く、日米欧を比較した場合には明らかに底力の違いを見せています。とリわけ欧州との景気の差は歴然としており、ユーロドルは下値を試す動きが想定されます。

 本日はNY市場が休場のため、活発な動きは期待できません。先週末の米国株の大幅上昇を受け、日経平均株価も2万1000円を回復するものと思われます。ドル円もこの動きに呼応し、やや円安に振れると予想しています。

 本日のレンジは110円20銭~110円90銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)