ドル円は111円台から反落。小売売上高などの経済指標が予想外に低調だったことで、ドルに対する楽観的な見方が一変。一時は110円46銭近辺まで売られ、この日の安値圏で引ける。ユーロドルは1.13台を回復する場面もあったが、ドイツのGDPが横ばいで、依然景気の先行きは厳しいとの見方がユーロの上値を抑える。

 株式市場は反落。ダウは3日ぶりに下落したが、ナスダックは小幅に上昇し、4日続伸。債券相場は反発。長期金利は2.65%台まで低下し、2.7%台乗せは短命に。金は3日ぶりに反落。原油は続伸し、54ドル台に。

新規失業保険申請件数 → 23.9万件
1月生産者物価指数  → -0.1%
12月小売売上高   → -1.2%

ドル/円   110.46 ~ 111.07 
ユーロ/ドル 1.1265 ~ 1.1310
ユーロ/円  124.73 ~ 125.21
NYダウ   -103.88 → 25,439.39ドル
GOLD   -1.20   → 1313.90ドル
WTI    +0.51   → 54.41ドル
米10年国債 -0.045  → 2.657%

本日の注目イベント

日   12月鉱工業生産
中   1月消費者物価指数
中   1月生産者物価指数
トルコ 1月消費者物価指数
トルコ 1月生産者物価指数
英   1月小売売上高
米   2月NY連銀製造業景況指数
米   1月輸入物価指数
米   1月鉱工業生産
米   1月設備稼働率
米   2月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米   つなぎ予算期限
米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

 順調に上昇を続けていたドル円は昨日の昼ごろ、株価の上昇に連動する形で111円13銭までドル高が進みましたが、さすがに111円台を固める動きにはなっていません。NY市場でも底堅い動きで始まりましたが、NY時間8時半に発表された12月の小売売上高の結果が市場のセンチメントを大きく変えています。市場予想の「+0.1%」に対して結果は「-1.2%」と、予想外のマイナスで、11月分も下方修正されました。12月分の減少率は過去9年間で最大となり、年末商戦は好調だったと見られていただけに、市場にはショックを与えたようです。

 一部のエコノミストの間ではこの結果を疑問視する向きもあるようですが、発表後にドル円は111円台から110円台半ばまで売られ、株価も下げに転じており、リスクオンムードに水をさされた格好です。労働市場を見れば、米国の景気拡大は続いていると考えられる一方、今回の小売売上高のように、米景気の減速を如実に示す指標が出てくるのも、今の米景気の特長とも言えます。もっとも、昨日は労働市場に関する指標である、週間失業保険申請件数も予想外に悪化していました。問題は、今回の予想を大きく下回る数字が一時的なものなのかどうかという点で、FRBの金融政策にも影響することから、今後も注意深く見ていかなければなりません。

 ドル円は結局押し戻されてはいますが、それでも110円台半ばを維持しています。今週月曜日に110円台前半を上抜けして以来、110円を一度も割り込んでいません。米中通商協議に明るい見通しが出てきたことと、本日期限の来るつなぎ予算にも、新たな予算案にトランプ大統領が署名し、政府機関の再閉鎖が回避できる見通しが出てきたことが、ドルを押し上げました。昨日の夕方には、トランプ大統領が中国との交渉期限をこれまでの3月1日から60日間延長することを検討していると、ブルームバーグが報じたことで、米中が貿易問題で合意する可能性がさらに高まりました。

 最終的な合意を見るまではまだ予断を許しませんが、市場の雰囲気は悪くはありません。仮にこのまま順調に問題が解決すれば、ドル円は緩やかに上昇する可能性がありますが、今度は材料不足からそれほどはっきりとした動きは見せないのではないかと予想しています。足元では、111円台から押し戻されたドル円のサポートレベルを探る展開でしょう。ここでも、110円台が維持できるのかどうかが重要なポイントとなります。110円台を割り込むようだと、「やっぱり111円台はトピッシュ」といった見方が増え、110円を挟む展開に移行することも予想されるからです。

 今朝方ドル円は110円40銭まで売られ、これで短い「1時間足」ではローソク足が雲の下抜けを完成させています。やや上値が重くなりつつあります。予想レンジは110円~111円といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)