加賀電子 <8154> は、前日12日に173円高の2132円と3営業日ぶりに急反発して引け、東証第1部の値上がり率ランキングのトップ50位にランクインするとともに、商いも、10万株超の売買高と3連休前の8日に比べて2.3倍と賑わった。同社株は、今年2月6日に今2019年3月期第3四半期(2018年4月~12月期、3Q)決算を発表、減益転換して着地したことから下値を確かめたが、瞬間的に割った25日移動平均線を直ちに上抜いたことから織り込み済みとし、さらに今期通期純利益の13期ぶり過去最高更新予想も見直し売られ過ぎ訂正買いが再燃した。今週15日から発売予定の初心者向けAI(人工知能)学習用パソコン「Deep Eye(ディープ アイ)」の人気化期待も、側面支援材料視されている。
 
■4Qから富士通エレクの業績が一部上乗せ通期純利益は13期ぶりに過去最高更新
 
 同社の今期3Q業績は、前年同期比0.2%減収、13.1%営業減益、15.4%経常減益、11.5%純益減益となった。ソフトウェア事業のGCアニメーション制作やゲームソフト開発、その他事業のアミューズメント業界向けのゲーム機器販売の売り上げは大きく伸び、電子部品事業のEMS(製品の開発・生産受託)ビジネスでは車載・空調機器向けは順調に推移したが、医療機器向けで主要顧客の製品切り替えに伴う生産調整や部品販売ビジネスでの家電製品の顧客の生産調整の影響を受け、利益面では、立ち上げ期にある海外新工場の費用先行などが重なったことなどが、要因となった。
 
 ただ第4四半期(2019年1月~3月期、4Q)からは、今年1月に経営統合のため第1段階として70%の株式を取得した富士通エレクトロニクスの業績が一部寄与してくる。このため今2019年3月期業績は、昨年11月予想に変更はなく、売り上げ2900億円(前期比22.9%増)、営業利益77億円(同5.2%減)、経常利益80億円(同8.5%減)、純利益73億円(同12.5%増)と予想し、純利益は、富士通エレクトロニクス買収に伴う負ののれん代償却も吸収し13期ぶりに過去最高を更新する。富士通エレクトロニクスの経営統合は、このあと来年12月に85%、2021年12月に100%の株式を取得て完了し、これを大きなエンジンにする同社の中期経営計画では、最終年度の2022年3月期に売り上げ5000億円、営業利益130億円の達成を目指している。
 
 なお「ディープ アイ」は、エヌビディア社製の最新GPU(画像処理装置)を搭載した高性能パソコンに独自のAI学習ソフトをインストール、ディープラーニング(深層学習)の詳細な知識がなくても、画像分類や検体検知などを直観的に操作できるユーザーフレンドリーな操作画面を採用、本体価格も98万円と価格優位性のある水準に設定した。また同社は、業界初のアミューズメント施設向けのスマートフォンによるマルチペイメント決済システムを開発し、今年2月下旬から関東、関西、観光地などの数カ所の施設に約80セットを試験導入し、2019年度には1万台の導入を目指す成長戦略も並行して推進する。
 
■低PER・PBR修正で25日線の三角保ち合いを上放れまず昨年11月高値にキャッチアップ
 
 株価は、昨年11月に発表した今期配当の増配や中期経営計画を手掛かりに2447円の戻り高値をつけたが、昨年12月に日経平均株価が一時、1万9000円台を割る全般相場急落に巻き込まれて昨年来安値1726円へ突っ込んだ。同安値から売られ過ぎとして底上げ、富士通エレク株の第1段階の株式取得も加わって2134円までリバウンド、3Q決算発表とともに再び25日移動平均線を出没して下値を確認する動きとなった。PERは8倍台、PBRは0.8倍、配当利回りは3.51%となお売られ過ぎは歴然で、25日線の三角保ち合いを上放れまず昨年11月高値にキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)