ドル円はアジアから欧州時間にかけて109円55銭前後まで売られたものの、NY時間には再び110円台まで上昇。ユーロドルでユーロ安が進んだことで円も連れ安に。ユーロドルはドイツの経済指標が予想を下回ったことで下落。1.14を割り込み、1.13台半ばまでユーロ安が進行。

 株式市場は反落。政府機関が再び閉鎖される可能性が意識され、ダウは4日ぶりに下落。ナスダックも26ポイント下げ、上昇も一服。債券市場は前日と変わらず、長期金利も2.69%台で変化なし。金は小幅ながら4日続落。原油価格は反発。


11月貿易収支 → -493億ドル

ドル/円   109.65 ~ 110.05 
ユーロ/ドル 1.1361 ~ 1.1395
ユーロ/円  124.81 ~ 125.44
NYダウ   -21.22 → 25,390.30ドル
GOLD   -4.80  → 1,314.40ドル
WTI    +0.35  → 54.01ドル
米10年国債 ±0     → 2.698%

本日の注目イベント

独  12月鉱工業生産
英  BOE金融政策発表
英  BOE四半期インフレ報告
米  新規失業保険申請件数
米  12月消費者信用残高


 昨日の日本時間昼前に行われたトランプ大統領の「一般教書演説」は、予想されたように、雇用や賃金など経済面での自身のこれまでの成果を誇示する一方、メキシコ国境の壁建設では譲歩することはなく、「必ず建設する」と強調し、米中通商協議については、楽観的な見方を示しながらも、予断を許さない状況であるとの認識を示しました。

 トランプ氏は、「私は中国の習近平国家主席に多大な敬意を抱いており、米政権は現在、中国との新たな通商合意に向けて作業をしている」とした上で、「しかし、合意には不公正な貿易慣行を終わらせ、米国の恒常的赤字を減らし、米国民の雇用を守るように、本物の構造改革が盛り込まれる必要がある」と述べました。さらに「われわれは中国に対し、米国の雇用と富を窃取する時代は終わったと明瞭に告げている」と語り、そのため中国から巨額の税を受け取っているとも述べています。(ブルームバーグ)

 ドル円は演説が始まるとすぐに110円台に乗せる場面もありましたが、その後はジリジリと値を下げ、夕方には109円55銭近辺までドル安が進みました。トランプ氏が壁建設に依然として固執していることが判明し、現時点では撤回する可能性が低いことからすると、一時的に閉鎖が解除されている政府機関が来週16日以降再び閉鎖されるリスクが意識されました。ドル円が109円台半ばまで売られたのは、そういった見方が強まったことが背景かと思います。

 ドルはその後再び買い戻され、ドル円は110円04銭近辺まで上昇しました。ただこのドル高円安は、ユーロドルの影響を受けた円安の側面が強かったようです。ユーロドルは1月25日以来となる1.14を割り込み、1.1361前後までユーロ安が進みました。IMFがイタリアは必要な改革が不十分だとし、成長率は2023年末までに1%未満に留まるとの見方を示したことや、ドイツの製造業受注指数が2カ月連続で低下したことなどを理由にユーロ売りが再燃しました。

 昨日も述べたように、ドル円には明確な方向性が見られません。110円台前半までは上昇するものの、110円台維持には失敗しています。一方昨日のように、ドル売りセンチメントが強まっても109円台半ばからは押し戻されています。結局、米中通商協議という大きな材料が依然不透明だということが相場を安定させない最大の理由になっていると見られます。ムニューシン財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が来週中に、予定されているトランプ大統領と習近平国家主席とのトップ会談の下準備のため北京を訪問することが発表されています。先の劉鶴中国副首相との協議も「かなり議論が進展した」と、ムニューシン長官は述べており、残された時間は少ないものの、合意に向けた米中の前向きな努力は評価されます。

 本日はパウエルFRB議長の講演が予定されています。先月のFOMC後の会見でハト派寄りの発言を行い、市場にはサプライズと受け止められましたが、そのスタンスには変化がないと思われます。

 予想レンジは109円50銭~110円40銭と、昨日の予想とほぼ同じです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)