ドル円は小動きで、NY時間の値幅は20銭程度に留まる。本日の一般教書演説を前に様子見の雰囲気となり、109円台後半での動きに収まる。ユーロドルは緩やかに下落し、1.140近辺までユーロ安が進む。

 株式市場は3日続伸。ボーイングやアップルなどIT株が大きく上昇。ダウは172ドル高で2万5400ドル台を回復。債券市場は反発し、長期金利は再び2.7%を割り込む。金と、原油はともに下落。


1月ISM非製造業景況指数 → 56.7

ドル/円   109.80 ~ 110.00 
ユーロ/ドル 1.1401 ~ 1.1434
ユーロ/円  125.28 ~ 125.63
NYダウ   +172.15 → 25,411.52ドル
GOLD   -0.10   → 1,319.20ドル
WTI    -0.90   → 53.66ドル
米10年国債 -0.025  → 2.698%

本日の注目イベント

米  11月貿易収支
米  労働生産性(10-12月)
加  12月建設許可件数


 ドル円は昨日の東京時間にやや下押しされる場面はあったものの、海外市場では再び110円台に乗せるなど、底堅い動きが続いています。NYダウは3日続伸し、2万5400ドル台を回復したことで、一時の株価大幅下落の恐怖は後退しており、「VIX指数」も15台半ばまで低下しています。リスクオフの流れが弱まったことで、低金利の円が売られる展開が続き、ドル円をサポートしていると見られます。

 それにしても、あれだけ大きく売られた米国株が急速に値を戻しているのには驚きです。ダウは昨年12月24日には、その日だけで653ドルも下げ、引け値では2万1800ドルを割込んでいました。10月3日の最高値である2万6800ドル台から、わずか2カ月強で5000ドルの下げでした。通常、高値から15%程度下げると「調整局面入り」と考えられ、上値が抑えられしばらくは戻りが売られる展開が続くのが一般的です。実際昨年末には「株式市場は明らかに調整局面に入った」という声が、あちらこちらから聞かれました。ダウはそこから3800ドル(17.4%)ほど戻したことになります。こうなると、すでに調整局面は終わったことになります。日本株が低迷している中、改めて米国株のダイナミズムには驚きます。

 米長期金利は2.7%を挟んで一進一退が続いているため、ドル円は米国株の堅調さに支えられている部分もあります。足元では108円台を固め、110円突破を図っている状況かと考えられますが、ここから一段と上値を試すのか、あるいは再び下落基調の戻るのかなかなか難しい判断です。

 本日は午前11時にトランプ大統領の「一般教書演説」があり、まずはこの演説内容に注目です。演説では大統領自身の計画を表明すると思いますが、政治的対立がエスカレートするのかどうかという点と、通商協議の行方を占う上でのヒントがあるかどうかに関心が集まります。メキシコ国境の壁建設費用を巡って民主党との対立を深めているトランプ氏が「非常事態宣言」という「伝家の宝刀」をちらつかせるようなら、ドル円も、株価も下落に転じると思われますが、一方で、予算の額を巡って民主党と交渉の余地を見せるようなら、市場は好感するのではないかと思います。

 また、中国に農産物やエネルギーで大規模な輸入を確約させたことや、北朝鮮との核廃絶に向けた交渉などを「手柄」としてアピールするのではないかと予想しています。結局演説では、どこまで強気の姿勢を見せトランプ色を出すのかで、市場への影響度が決まってくるということになりそうです。

 株式市場に比べて動きが穏やかなのが米債券市場です。米長期金利は、足元では2.7%を挟んでもみ合っていますが、市場のコンセンサスである「年内利上げなし」との見方が金利上昇を抑えています。ただ、債券市場に対して弱気の見方を維持しているフランクリン・テンプルトンの債券グループの責任者は、利上げはないという見方に警鐘を鳴らしています。「大きな外的ショックがない限り、米国がリセッションに陥るとは思わない。米国の労働市場は強く、それが賃金を押し上げ始めている。また、堅調な消費が企業の価格決定力を支える」と、その理由を述べています。(ブルームバーグ)米長期金利が再び3%台を回復するようなら、ドル円は115円方向を目指す可能性がありますが、米国では財政赤字が拡大しており、需給面からは金利上昇圧力が強まっていることは確かです。

 本日のドル円は109円50銭~110円40銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)