東京都は2月5日、東京・六本木ヒルズにて東京金融賞の第1回授賞式を開催した。同賞は、東京が国際金融都市をめざして2017年11月にまとめた「国際金融都市・東京」構想の一環で、都民のニーズ等の解決に資する画期的な金融商品・サービスの開発・提供を行う金融事業者、及びESG投資の普及を実践する金融事業者を表彰するもの。東京都知事の小池百合子氏は、「東京が都市間の競争で勝ち残るため、また、日本をけん引する役割を担っていくため、金融の力を発揮し、東京を活性化していってほしい」と、同賞の意義を強調した。

 東京金融賞は2つの部門で構成され、都民から公募した様々な課題に金融の力で解決策を提案する「都民ニーズ解決部門」。そして、都民のESG投資のニーズに応える「ESG投資部門」。2018年7月-8月に実施した都民からのニーズ・課題の募集については、約1000件の声が集まり、そこで、「都民ニーズ解決部門」では、出入金、資産運用、保険等の6分野で20テーマを設定し、「ESG投資部門」では気候変動、人的資本(女性活躍、ダイバーシティ推進等)、自然資源(生物多様性、資源活用等)に関心が高いことが分かった。

 昨年9月-11月に実施した事業者募集では、両部門で合計95社、うち、海外企業が半数という応募があった。公益財団法人金融情報システムセンター理事長の細溝清史氏を審査委員長とする有識者による審査の結果、「都民ニーズ解決部門」では、16カ国55社の応募の中から3社。「ESG投資部門」では10カ国40社の応募の中から4社を表彰することにした。

 「都民ニーズ解決部門」の第1位は、「保険金請求の手続きが煩わしい」という課題へのスマホアプリによる解決策を提案したjustInCase社。第2位は、「少額から資産運用できるサービス・商品が少ない」という課題に、5円から気軽に投資できるアプリ「トラノコ」を提供するTORANOTEC社。そして、第3位には、「店舗での本人確認等の手続きが煩わしい」という課題に、顔と声と動画によるIDプラットフォームの提案をしたグローリー社が表彰された。

 「ESG投資部門」は順位がなくアルファベット順で、ニューバーガー・バーマン・イーストアジア社、ロベコ・ジャパン社、SOMPOホールディングス社、三井住友トラスト・アセットマネジメント社が受賞した。

 ニューバーガー・バーマン社は、運用資産約30兆円の全ての運用プラットフォームにおいて、ESGの視点を入れて投資判断を実施。2018年は株式投資の分野で1300件、債券の発行体に対し1700件のエンゲージメントを行っている。また、東京拠点がESG投資の啓もう普及活動にも積極的に取り組んでいることが評価された。

 ロベコ社は、現在はオリックスの傘下だが、約22兆円の運用資産のうち、約13兆円をESG投資で運用し、グループのロベコSAM(サスティナビリティアセットマネジメント)はESGに特化した運用会社。世界の上場企業4600社のESG評価を実施し、そのスコアは、ダウジョーンズ社のサスティナビリティ・インデックスなどに採用されている。

 SOMPOホールディングスは、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントが1999年に日本初のエコファンド「損保ジャパン・グリーン・オープン」(愛称:ぶなの森)を設定・運用。東南アジア地域では気候変動による干ばつの被害を補償する「天候インデックス保険」を提供。また、国内の自治体向けに「防災・減災費用保険」を提供するなど、保険分野でもESGに関連する取り組みに積極的だ。

 三井住友トラスト・アセットマネジメントは、中長期的に投資リターンを最大化するため、エンゲージメント(対話)、議決権行使、ESG課題の取り組みなどで企業評価する姿勢を強化。スチュワードシップ推進部とリサーチアナリストが協業して深みのあるエンゲージメントを行う体制を構築。2018年には8000件超の企業取材の中で、エンゲージメントの基準を満たす面談を570件重ねるなど、ESG課題について企業と対話。「日本株式SRIファンド」「SRI・ジャパン・オープン」「生物多様性企業応援ファンド」「チャイナ・グッドカンパニー」などESG関連ファンドの提供も積極的に行っている。(情報提供:モーニングスター社)(写真は、「東京金融賞」第1回授賞式の様子。中央が東京都知事の小池百合子氏)