雇用統計やISM製造業景況指数などの経済指標が予想を大きく上回ったことでドル円は上昇。長期金利の上昇もあり、109円58銭までドル高が進み、高値圏で越週。ユーロドルは小幅に反落。1.1448まで下落し、ドル高の流れが上値を抑える。

 株式市場はまちまち。ダウは石油株の好決算から64ドル上昇したが、ナスダックは17ポイントの反落。債券相場は反落。長期金利は2.68%台へと上昇。金は6日ぶりに反落。原油価格は反発し55ドル台に。


1月自動車販売台数           → 1660万台
1月失業率               → 4.0%
1月非農業部門雇用者数         → 30.4万人
1月平均時給 (前月比)        → 0.1%
1月平均時給 (前年比)        → 3.2%
1月労働参加率             → 63.2%
1月ISM製造業景況指数        → 56.6
1月ミシガン大学消費者マインド(速報値)→ 91.2

ドル/円   108.89 ~ 109.58
ユーロ/ドル 1.1448 ~ 1.1488
ユーロ/円  124.58 ~ 125.73
NYダウ   +64.22 → 25,063.89ドル
GOLD   -3.10  → 1,322.10ドル
WTI    +1.47  → 55.26ドル
米10年国債 +0.055 → 2.684%

本日の注目イベント

豪   豪12月住宅建設許可件数
トルコ 1月消費者物価指数
欧   ユーロ圏12月生産者物価指数
米   11月耐久財受注
米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演
欧   企業決算 → アルファベット


 1月の雇用統計は市場予想を大きく上回り、ドル円の上昇を促しました。失業率は4.0%と、市場予想の3.9%を上回り悪化しましたが、これは政府機関の一部閉鎖の影響で、一時帰休に伴う失業者は17万5000人でしたが、そのうちの多くが連邦職員だったようです。非農業部門雇用者数の方は予想を大きく超え、30.4万人でした。同時に12月分が下方修正されてはいますが、直近3カ月でみれば24万人と、かなりの好調さを維持しています。

 また賃金に関しても、平均時給が前年同月比で3.2%増えており、これで、6カ月連続で3%台を記録しています。賃金上昇は将来のインフレにつながる可能性があるため、一部のエコノミストの中にはFRBによる利上げが夏までに少なくとも1回はあるとの予想をしている向きもあるようです。いずれにしても景気の鈍化を示す指標が散見される中、労働市場の拡大が続いていることは確かなようです。今後はこの影響が景気全体の底割れを防ぎ、米景気を再び押し上げる牽引役になるのか、あるいは労働市場にも景気鈍化の波が押し寄せ悪化していくのかどうかを見極めていく必要があります。それらも全ては、米中通商協議の行方にかかっています。

 先週2日間の日程で行われた米中通商協議は、具体的な合意内容はありませんが、トランプ大統領は「中国との交渉は極めて順調にいっている」との言葉を残しています。3月1日の交渉期限を前に、トランプ大統領は今月末までに中国の習近平主席と直接会談を行い、最後の交渉に望む意向です。米中貿易問題はひとまず次のステップ待ちですが、もうひとつの懸念事項は米政府機関の閉鎖問題です。政府機関は現在一時的に解除していますが、その期限も来週15日です。トランプ氏はメキシコ国境の壁建設費用が認められない場合は、再度政府機関の一部を閉鎖することも辞さないと発言しています。明日5日には、大統領の「一般教書演説」が予定されています。ここで、壁建設予算の議会承認を迂回する非常事態宣言など、自身のさらなる計画を公表する可能性が高いと見られています。

 ドル円は108-110円というよりも、109円台での推移が長く、安定しているようには見えますが、まだ110円を超えて上昇する勢いはないように思います。相場の基本と言われる「日足」チャートを見ても、上昇トレンドへの転換は確認されません。従って、実需の輸出筋や個人投資家の多くは、「戻り売り」のスタンスを変えてはいないと見られます。こういった市場関係者がスタンスを変えざるを得ないような状況になれば、トレンドの転換も確認できると思われますが、まだ時間がかかりそうです。米国株がやや安定を見せ、「VIX指数」も危険水域の「20」を下回る水準にいることで、ドル円が109円台で底堅い動きを見せていると言えます。

 本日のレンジは109円~109円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)