JSP <7942> は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。19年3月期減益予想だが、下期に製品価格是正効果で収益改善を見込んでいる。そして第3四半期(10~12月)の収益は大幅改善した。これを好感する形で株価は急伸して戻り歩調だ。出直りを期待したい。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 18年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業34%、ビーズ事業61%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業26%、ビーズ事業72%、その他1%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。
 
 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する特性がある。
 
■19年3月期減益予想だが、3Qは価格是正効果で収益大幅改善
 
 19年3月期の連結業績予想(7月27日に減額修正)は、売上高が18年3月期比3.3%増の1181億円だが、営業利益が17.6%減の75億円、経常利益が16.5%減の77億円、純利益が19.8%減の55億円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)で、予想配当性向は27.1%となる。
 
 通期ベースでは減益予想だが、遅れていた製品価格是正が概ね第2四半期末までに完了し、下期は価格是正効果で収益改善見込みとしている。下期の前提条件は、為替が1米ドル=111.9円、1ユーロ=130.3円、原油価格(ドバイ)1バーレル=75.0米ドルとしている。
 
 第3四半期累計は売上高が前年同期比2.0%増の881億57百万円、営業利益が38.4%減の48億49百万円、経常利益が36.3%減の50億78百万円、純利益が32.5%減の39億20百万円だった。自動車部品用「ピーブロック」など高機能・高付加価値製品が堅調だが、ビーズ事業での韓国における販売減少などで全体として微増収にとどまった。利益面では原油価格上昇に対する製品価格是正遅れで減益だった。セグメント別には押出事業が3.0%増収で9.7%減益、ビーズ事業が0.5%増収で45.9%減益、その他が12.7%増収で42.9%増益だった。
 
 第2四半期累計までの製品価格是正遅れの影響で、第3四半期累計としては大幅減益だったが、営業利益を四半期別に見ると、第1四半期(4~6月)12億97百万円、第2四半期(7~9月)15億04百万円、第3四半期(10~12月)20億48百万円となる。第3四半期は製品価格是正効果で収益が大幅改善した。なお18年11月頃からの原油価格低下による原材料価格への影響は概ね第4四半期(1~3月)以降の見込みとしている。
 
■21年3月期営業利益110億円目標
 
 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。
 
 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。
 
 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。
 
 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのリアシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。
 
 なお省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。
 
■株価は急伸して戻り歩調
 
 株価は地合い悪が影響した12月安値1949円から切り返し、さらに第3四半期の収益大幅改善を好感する形で2月1日には2489円まで急伸した。そして戻り歩調だ。出直りを期待したい。2月1日の終値は2485円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS184円50銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2667円72銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約781億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)