モーニングスターは2月1日、「Morningstar Award“Fund of the Year 2018”(ファンド オブ ザ イヤー2018)」を発表した。国内の公募追加型株式投資信託約5300本の中から、独自の定量分析、定性分析に基づき、2018年の運用成績が総合的に優秀であると判断されたファンド28本を選定した。1999年の発表から数えて今回が20回目になる。
 
 授賞式にあたってモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏は、「1998年3月にモーニングスターが創業し、同年12月に銀行による投資信託の窓販がスタート。そして、99年に第1回のファンドオブザイヤーを開催した。この20年間にはリーマンショックやチャイナショック、東日本大震災など、様々な危機もあり、さすがに、リーマンショックの時には、ファンドのパフォーマンスも悪化していたので、表彰を中止しようかとも考えたが、当時でも運用で少しでもパフォーマンスを上げようと頑張っておられる運用会社の姿をみていたので、継続して表彰を続けてきた。その後、様々なファンドのアワードが設立され、投信の知名度や注目度の向上に役立てたと思う」と20周年を振り返った。
 
 そして、同アワードが、アクティブに運用するファンドを選定するということを貫いていることについて、「アクティブファンドマネージャーには、様々な逆風にさらされている。米国では、アクティブからパッシブ(インデックス運用)へと資金が大きく動き、また、流動性の高い資産から、プライベートエクイティ(未公開株)や現物不動産など非流動性資産への資金シフトもある。また、運用の実務にはAI(人工知能)が取り入れられ、機械に勝る運用成績を上げなければならない。まして、2018年は前半に比べて後半が非常に厳しい市場環境となって運用者として大変苦労なされたことと思う。その中で受賞された28本のファンドは、アクティブマネージャーの真価を発揮した優れたファンドといえる」と受賞ファンドを讃えた。
 
 表彰ファンドは、以下の通り。
 
(1)国内株式型(対象ファンド数:871本)
 
◆最優秀ファンド賞(1本)
「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」(設定・運用会社:東京海上アセットマネジメント)。日経平均株価が年間でマイナス12.08%になる中で、同ファンドのトータルリターンはプラス5.76%と公募ファンド(DC専用ファンドで1本のプラスリターンがある)の中で唯一のプラスリターンのファンドだった。
 
◆優秀ファンド賞(2本)
「三井住友・配当フォーカスオープン」(三井住友アセットマネジメント)、「スパークス・M&S・ジャパン・ファンド」<愛称:華咲く中小型>(スパークス・アセット・マネジメント)。
 
(2)国際株式型(グローバル・含む日本)(同:340本)
 
◆最優秀ファンド賞(1本)
「グローバル・セキュリティ株式ファンド(年1回決算型)」(アセットマネジメントOne)。MSCIワールドインデックスなどが年間10%以上下落する中で、トータルリターンがマイナス0.98%とほぼ横ばいのトータルリターンとなり、安定した運用成績を継続した。
 
◆優秀ファンド賞(8本)
「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」<愛称:健次>(三菱UFJ国際投信)、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(ピクテ投信投資顧問)、「ニッセイ・ワールドスポーツ・ファンド-メダリスト-Bコース(為替ヘッジなし)」(ニッセイアセットマネジメント)、「JPM グローバル医療関連株式ファンド」(JPモルガン・アセット・マネジメント)、「日興ブラックロック・ヘルスサイエンス・ファンド(為替ヘッジなし)」(ブラックロック・ジャパン)、「グローバル・フィンテック株式ファンド」(日興アセットマネジメント)、「グローバルAIファンド(為替ヘッジあり)」(三井住友アセットマネジメント)、「東京海上・グローバルペット関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」<愛称:ぽちたま>(東京海上アセットマネジメント)。
 
(3)国際株式型(グローバル・除く日本)(同:926本)
 
◆最優秀ファンド賞(1本)
「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)」(アライアンス・バーンスタイン)。MSCI-KOKUSAIインデックスがマイナス10%超となるなか、1年間のトータルリターンはマイナス1.8%。モーニンングスターレーティングも36カ月連続で4★以上を継続し、40年以上の運用実績があり、長い経験を有するベテランファンドマネージャーを中心に運用を行っている継続性も評価した。
 
◆優秀ファンド賞(4本)
「大和住銀DC海外株式アクティブファンド」(大和住銀投信投資顧問)、「モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム 株式オープン(為替ヘッジなし)」(三菱UFJ国際投信)、「野村米国ブランド株投資(通貨選択型)米ドルコース(年2回決算型)」(野村アセットマネジメント)、「サイバーセキュリティ株式オープン(為替ヘッジなし)」(三菱UFJ国際投信)。
 
(4)債券型(同:1,642本)
 
◆最優秀ファンド賞(1本)
「エス・ビー・日本債券ファンド」<愛称:ベガ>(大和住銀投信投資顧問)。債券のカテゴリー29分類の中で、3分類しかプラスのリターンがないという厳しい市場の中で、トータルリターンが1.37%、シャープレオも1.11と安定的に優れたリターンを残した。
 
◆優秀ファンド賞(2本)
「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(フィデリティ投信)、「ノルディック社債ファンド 為替ヘッジあり」(野村アセットマネジメント)。
 
(5)REIT型(同:404本)
 
◆最優秀ファンド賞(1本)
「Jリート・アジアミックス・オープン(資産成長型)」(三井住友アセットマネジメント)。グローバルリートの10分類が全てマイナスになり、Jリートのみプラス8.8%というリート市場において、Jリートを50%以上組み入れ、1年間のトータルリターンが4.94%と安定的なリターンをあげた。また、運用担当者が27年の経験を有し、同マネージャーの運用する他のファンドが4★以上のレーティングを獲得している実績も評価した。
 
◆優秀ファンド賞(2本)
「J-REITオープン(年4回決算型)」(野村アセットマネジメント)、「アジアREIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)
 
(6)バランス型(同:1,030本)
 
◆最優秀ファンド賞(1本)
「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」<愛称:円奏会>(東京海上アセットマネジメント)。バランス型の7分類全てがマイナスリターンになる厳しい市場の中にあって、同ファンドのトータルリターンは0.38%。2012年11月の設定以来、3年間のトータルリターンが38カ月全てプラスを維持している継続性も評価した。
 
◆優秀ファンド賞(4本)
「投資のソムリエ」(アセットマネジメントOne)、「スマート・ファイブ(毎月決算型)」(日興アセットマネジメント)、「GCIエンダウメントファンド(安定型)」(GCIアセット・マネジメント)、「しんきん世界アロケーションファンド(積極型)」<愛称:しんきんラップ(積極型)>(しんきんアセットマネジメント投信)。(写真は、ファンド オブ ザ イヤー2018の最優秀ファンド賞を受賞したファンドの代表者。中央がモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏)