ドル円はアジア市場でドル売りが進んだ流れを受け108円50銭前後まで下落し、1月16日以来となる円高水準を記録。その後、米中通商協議進展への期待感からドルの買い戻しが進み108円94銭まで反発。ユーロドルは前日の1.15台から反落。ドイツの経済指標が予想を下回ったことなどが重しとなり、1.1435まで下落。

 株式市場は続伸したものの、ダウは15ドル安。ナスダックは98ポイント上昇し、S&P500も続伸して引ける。債券相場は4日続伸。長期金利は低下し、3週間ぶりに2.62%台まで低下。ドル安の流れから金は5日続伸し1325ドル台に。原油価格は反落し54ドルを割り込む。


新規失業保険申請件数     → 25.3万件
10-12月雇用コスト指数  → 0.7%
1月シカゴ購買部協会景気指数 → 56.7

ドル/円   108.50 ~ 108.94 
ユーロ/ドル 1.1435 ~ 1.1495
ユーロ/円  124.48 ~ 124.95
NYダウ   -15.19 → 24,999.67ドル
GOLD   +9.70  → 1,325.20ドル
WTI    -0.44  → 53.79ドル
米10年国債 -0.048 → 2.629%


本日の注目イベント

豪  豪第4四半期生産者物価指数
日  12月失業率
中  1月財新製造業PMI
欧  ユーロ圏1月消費者物価指数(速報値)
米  1月自動車販売台数
米  1月雇用統計
米  1月ISM製造業景況指数
米  1月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


 前日のパウエル議長による「ハト派寄りの発言」から、米国株が大幅高になったことを受け、昨日の日経平均株価も一時は300円ほど上昇する場面もありました。引け値では216円高と、やや押し戻されましたが堅調な動きでした。ドル円は「米金利は今後上昇しにくい」との見立てから、株価の上昇にも関わらずジリジリと値を下げ108円64銭近辺まで売られ、NY市場ではその流れから、108円50銭までドル安が進みました。

 ただその後は米中通商協議の進展期待から、108円台後半まで反発しています。最終日を迎えた閣僚級の米中通商協議について、トランプ大統領は交渉がうまくいっていると述べ、「友人である中国の習近平国家主席と私が近い将来に会談し、長年にわたる困難な問題のいくつかで合意するまで、最終的な決着はない」とツイートしています。また、「中国からの輸入に対して関税は3月1日に25%に上昇する。従ってその日までに完了できるよう全員が懸命に取り組んでいる」(ブルームバーグ)と述べ、これまでになく前向きな言葉を発しています。

 注目された米中通商協議は予想したように、両国とも最悪の事態は避けたいという前提に立って話し合われた模様で、現時点では詳しい内容は明らかにされてはいません。最終合意には至っていないものの、期限の延長も含めた継続協議に向かっているようで、今朝のウォール・ストリ―ト・ジャーナル(WSJ)は劉鶴副首相率いる中国の通商代表団はトランプ大統領と習近平国家主席との会談を2月末に中国・海南省で開催することを提案したと伝えています。

 このように米中協議は最終的な合意の可能性を残しながら終了したようですが、もう一方の懸念材料である米政府機関の一部閉鎖問題は、メキシコ国境の壁建設費用を巡って依然不透明です。先週、トランプ大統領が暫定予算に署名し、3週間の閉鎖解除を決めましたが、その期限は今月15日です。トランプ氏はあくまでも壁建設予算の確保に固執しており、「2月15日に委員会はホワイトハウスに再び訪れるが、壁が含まれていない場合は時間の無駄なので結論を読みたいとも思わない」と発言し、これに対しペロシ下院議長は、「法案には壁の予算は盛り込まないだろう」と語っています。仮にこの状況で2月15日を迎えた場合、再び政府機関の一部が閉鎖されることになりそうです。

 上値の重いドル円は109円台を回復できるかどうかが注目されます。上記米中通商問題でやや明るい兆しが見えてきたものの、まだ最終的に合意できるかどうかは不透明です。今週から日本企業の第3四半期決算開示が始まりましたが、円の先高観が強まっていることから、キャノンなど、輸出企業の中にはドル円の社内想定レートを下方修正する動きも見られます。そのため、ドルが上昇する局面ではドル売り注文が多く持ち込まれることも予想されます。現状では109円台での戻りは限定的と見ています。

 本日のレンジは雇用統計があることも考慮して、108円30銭~109円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)