ドル円はFOMC声明文とパウエル議長の会見を受け急落。108円81銭前後までドル安が進み約2週間ぶりの水準を記録。ユーロドルでもドル安ユーロ高が進み、一時は1.15台にに乗せる。株式市場は揃って大幅上昇。パウエル議長の会見から利上げ観測がさらに後退。ボーイングやアップル株が上昇を牽引。ダウは前日比434ドル上昇し、2万5千ドルの大台を回復。利上げ観測が大きく後退したことから債券は買われ、長期金利は2.67%台まで低下。金は小幅ながら4日続伸。原油価格も続伸し54ドル台に。

1月ADP雇用者数              →  21.3万件

12月中古住宅販売件数成約指数    →  -2.2%

ドル/円 108.81 ~ 109.75 

ユーロ/ドル 1.1406 ~ 1.1501

ユーロ/円  124.74 ~ 125.15

NYダウ +434.90  → 25,014.86ドル

GOLD +0.30 → 1,315.50ドル 

WTI  +0.92 → 54.23ドル 

米10年国債  -0.032 → 2.677%
 

本日の注目イベント

日  12月鉱工業生産
中  1月製造業PMI(速報値)
中  1月非製造業PMI(速報値)
独  独1月失業率
欧  ユーロ圏12月失業率
欧  ユーロ圏10-12月期GDP(速報値)
米  新規失業保険申請件数
米  12月個人所得
米  12月個人支出
米  12月PCEコアデフレータ
米  10-12月雇用コスト指数
米  1月シカゴ購買部協会景気指数
米  企業決算 → ブラックストーン、GE、UPS、アマゾン

 ドル円は109円台を割り込み、米国株は大幅高。債券は買われ金利は低下。昨日この欄で、パウエル議長がハト派的な発言をすれば、株と債券が買われドル円が下落する可能性があると書きましたが、予想通りの展開になっています。

 FRBは今朝方のFOMCで、政策金利据え置きを決め、声明文で将来の金利変更の判断においては「辛抱強くなる」(Committee will be patient )とし、バランスシートの縮小については柔軟な対応をする考えを示しました。パウエル議長は会合後の記者会見で「経済と国外の不確実性が相反する中で、視界が一段とよくなるのを辛抱強く待ち、政策運営では経済データに依存するという常識的なアプローチを取る」と語りました。(ブルームバーグ)

 今回のFOMCでは政策金利の据え置きや、今後の政策運営の柔軟化はある程度予測できましたが、会見でバランスシートの縮小にも柔軟に対応するとした部分が「ハト派的」と受け止められ、株価と債券の急騰につながったと思われます。今後米金利が上昇しにくくなるという見方から、ドルにとっては支援材料が一つ無くなり、ドル円はレンジを下抜けし108円81銭前後まで売られました。今週は109-110円のレンジを抜けると予想していましたが、これでドルの上値は徐々に重くなることも予想されます。

 もっとも、ドル円は必ずしも金利だけで動いているわけでもなく、金利の低位安定が定着すれば、昨日のように株価にとっては好材料となり、今後株価の上昇が見込まれるようなら、「株価の上昇=リスクオン」ということで低金利の円が売られる展開もないとは言えません。これはドル円の支援材料になるはずです。それでも、今後米国の景気減速がより鮮明になると、株価も下落基調を強め、場合によっては「金融緩和策」が必要な状況にもなり、株価の下落と長期金利の低下が同時に進む懸念もあります。その場合はドル円が大きく下落する可能性があり、今後米景気の「実態」も見極めていく必要があります。幸い昨日発表されたADP雇用者数は市場予想を大きく超えており、現時点では労働市場は依然として好調と見られ、明日の雇用統計にも期待が持てそうです。

 ドル円は108円81銭前後まで売られたことで、「4時間足」の雲の下限まで落ちてきました。米国株が大幅高を演じたことで、本来なら日本株も大きく上昇してもおかしくないはずですが、円高が進んだ分上昇力が相殺されます。ただ、それでもこの状況ではマイナスで引けることは考えにくく、ドルのサポート要因になると予想しています。予想レンジは108円50銭~109円40銭程度を見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)