ドル円は小幅な下落ながら109円台は維持。株価の下落と長期金利の低下にドル円は109円17銭まで売られたが、明日から始まる米中通商協議の結果を見極めたいとのセンチメントに動きづらい展開に。ドルが小幅に売られたことで、ユーロドルは1.1444まで上昇し、この日は終始1.14台で推移。株式市場は大幅に反落。キャタピラーやエヌビディアの決算発表に失望し、市場全体が軟調となりダウは208ドル安。債券相場は反発。株価の下落から債券が買われ、長期金利は2.74%台へと低下。金は続伸し、昨年6月以来となる1300ドル台乗せに。原油価格は反落。


ドル/円 109.17 ~ 109.49 

ユーロ/ドル 1.1405 ~ 1.1444

ユーロ/円  124.65 ~ 125.01

NYダウ -208.98  → 24,528.20ドル

GOLD +5.00 → 1,303.10ドル 

WTI  -1.70 → 51.99ドル 

米10年国債   -0.016  → 2.742%

 
本日の注目イベント

米  11月ケース・シラ-住宅価格指数
米  1月消費者信頼感指数
米  企業決算 → ファイザイー、3M、ベライゾン、アップル


 今年前半の相場を占う上で最も重要なイベントと見られる「米中通商協議」がいよいよ明日からワシントンで行われます。今週の「Weeklyコメント」でも書きましたが、1カ月後に交渉期限が迫っている中、ある程度の合意に近いものが出てくるのではと、期待が高まってはいますが、両国の交渉責任者である、 ライトハイザー米通商代表部(USTR)委員長と中国劉鶴副首相はともに、これまで記者団には多くを語らないことから合意内容の詳細が見えにくく、結局共同声明からその内容を得るしかありません。

 さらに最終的な合意は、仮にあるとしてもトランプ大統領と習近平主席が首を縦に振るまでにも時間を要します。中国側は米国からの輸入を大幅に拡大させ、2024年までの6年間で合計1兆ドル(109兆円)以上増やし、同年までに対米貿易黒字を解消させることを提案しており、米国もこの件についてはおおむね了承している模様です。ただ、米国側がこだわっている「知的財産権の侵害問題」や「構造改革問題」では議論の進展はほとんどないことが伝えられており、焦点はこの辺りになろうかと思います。協議に先立ち、中国は昨日代表団をワシントンに到着させており、その中には劉鶴副首相だけではなく、中国人民銀行総裁など主要な人物も同行していることが報じられています。残された時間が少ない中、中国側の合意に向けた「本気度」は評価されることでしょう。

 中国は、景気減速に対応するため積極的に景気刺激策にも力を入れています。今朝の経済紙によれば、市場への資金供給を増やすだけではなく、減税も1.3兆元(約21兆円)を超える規模で行い、インフラ投資も12月単月で7838億元(12兆7000億円)と高水準で、さらには付加価値税の減額も検討しているようです。中国の昨年のGDPは6.6%と、28年ぶりの低水準でした。米中通商協議が万が一合意に至らなかった場合には、景気に与える影響はさらに深刻なものになることが予想され、早めの対策に打って出たということのようです。

 もっとも、万が一決裂するようなことになれば、その悪影響は米中だけには留まらずに、世界中に伝播すると見られます。先日中国での販売失速を理由に業績見通しを下方修正した日本電産の永守会長の言葉が印象的でした。永守会長は「11月、12月に尋常でない変化が起きた」と述べ、「46年間経営をやってきて、月単位でこんなに落ち込んだのは初めてだ」と語っていました。これは日本電産だけのことではなく、他の製造業にも言えることでしょう。今週から始まる、日本企業の第3四半期決算発表で、そのことが明らかになると考えています。

 経済規模で世界第一位の米国と第二位の中国が貿易問題で大きな障害を抱えることになれば、その影響は大きな波となって真っ先に日本を襲うことになると思います。その先に見えるものは、中国関連銘柄を中心に日本株が売られ、リスク回避が急速に進み、円が買われるという構図です。1月3日早朝のドル円の急落は、その予兆だったのかもしれません。本日のドル円は108円80銭~109円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)