ドル円はやや膠着状態。109円76銭まで上昇したものの、前日同様に110円に近づく水準ではドル売り意欲も旺盛となり109円台半ばへと押し戻される。ドラギECB総裁が「景気のリスクが下方に転じた」と発言したことを材料にユーロ売りが加速。1.13を割り込み、1.1289までユーロ安が進行。

 株式市場はまちまち。半導体株が上昇しナスダックを押し上げたものの、ダウは反落し22ドル安。債券相場は反発。長期金利は2.71%台まで低下。金は3日ぶりに下げ、原油は反発。


新規失業保険申請件数    → 19.9万件
12月景気先行指標総合指数 → -0.1%

ドル/円   109.42 ~ 109.76
ユーロ/ドル 1.1289 ~ 1.1381
ユーロ/円  123.79 ~ 124.59
NYダウ   -22.38 → 24,553.24ドル
GOLD   -4.20  → 1,279.80ドル
WTI    +0.51  → 53.13ドル
米10年国債 -0.029 → 2.712%

本日の注目イベント

独  1月ifo景況感指数
米  12月新築住宅販売件数


 明確な方向感がなく、もみ合いが続いていたユーロドルは、ドラギECB総裁の発言をきっかけに急落し、一時は1.1289まで売られ、昨年12月14日以来となるユーロ安を記録しました。

 ドラギ総裁はECBの理事会後の記者会見で「成長リスクは下方方向に転じた」とし、「特に地政学的要因に関する不透明感の持続と保護主義の脅威がセンチメントの重しとなっている」と述べました。また「ユーロ圏経済がリセッションに陥る可能性は低いとの見解で当局者らは一致したが、域内の一部が深刻な景気下降に陥れば、域内他国に広がる可能性はあると認めた」とも述べ、(ブルームバーグ)今年の秋と見られていたECBの利上げが、さらに遅れる可能性も出てきました。

 来週30-31日に行われる予定の米中次官級による通商協議を巡って、ロス商務長官はややネガティブな見方を示しています。長官はブルームバーグとのインタビューで「米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっている」と語っています。そしてさらに、「より難しい問題は構造改革、特に知的財産権に関するものだ」とも述べています。

 中国側が米国からの輸入を拡大させ、2024年までには対米貿易黒字額をゼロにするといった提案を、米国側は一定の評価をしているものの、「知的財産権などの重要課題ではなんら進展は見られない」と述べていたUSTR幹部の発言と一致するものです。来週の米中協議で、どこまで進展が見られるのか、非常に注目されます。

 ドル円はこのような状況の中、健闘していると昨日書きましたが、一方では110円に接近すると押し戻される展開が続き、やや膠着感が強まってきました。米中通商協議の行方や、米政府機関閉鎖解除のメドがたたないことで積極的にポジションをどちらにも傾けられないことが背景と見られます。そのため昨日は、週間失業保険申請件数が予想を大きく下回ったにもかかわらず、相場への影響は見られませんでした。同指数は20万件を下回り、19.9万件と、実に49年ぶりの低水準でした。

 ドル円は109円30-80銭の間でもみ合っています。上記2つの材料次第ではどちらに転んでもおかしくありません。

 来週30-31日の結果が分かるまでは様子見ですが、翌日の1日には早くも1月の雇用統計が発表されます。本日の予想レンジは上記30-80銭が基本になりますが、上下10銭を考慮して、109円20銭~90銭程度とみます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)