ドル円は反落。世界経済の下方修正や中国のGDPが低水準だったことを受け、ドル円は109円14銭まで売られる。株価も大幅に反落し、長期金利が低下したこともドル売り材料となる。ユーロドルは小幅に下落したものの、ECB理事会を控え小動き。1.1336までユーロ安が進み、徐々に下値を切り下げる。

 株式市場は5日ぶりに反落。IMFが世界経済の成長率を下方修正したことなどから、中国関連銘柄などが売られる。ダウは300ドルを超える下げとなり、他の主要指数も揃って反落。債券相場は反発。長期金利は2.71%台まで低下。金は小幅に反発。原油は1ドルを超える大幅な下げに。

12月中古住宅販売件数 → 499万件

ドル/円   109.14 ~ 109.47
ユーロ/ドル 1.1336 ~ 1.1374
ユーロ/円  124.04 ~ 124.38
NYダウ   -301.87 → 24,404.48ドル
GOLD   +0.80   → 1,283.40ドル
WTI    -1.23   → 52.57ドル
米10年国債 -0.043  → 2.741%

本日の注目イベント

日  日銀金融政策決定会合
日  黒田日銀総裁記者会見
日  12月貿易収支
欧  ユーロ圏1月消費者信頼感(速報値)
米  12月FHFA住宅価格指数
米  1月リッチモンド連銀製造業指数
米  企業決算 → フォード、P&G
加  カナダ11月小売売上高

 ドル円は110円に届かず戻ってきました。昨日この欄で述べたように、米国株は5日続伸とはならず、「5日ぶりに反落」したことで、ドルが売られました。前日IMFが世界経済の見通しを下方修正したことや、中国の10-12月期GDPが28年ぶりの低水準だったことから米株価が軟調になっています。もっとも、ここ4営業日でダウは800ドルを超える上昇を見せていただけに、一旦調整しても当然だとする意見もあります。中国景気の減速を材料に、中国関連銘柄を中心に株価の下げを牽引し、世界経済の鈍化を理由にWTI原油価格も反落しました。

 トランプ大統領に関する報道もドルと株式には重石になりました。英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、30-31日に予定されている米中通商協議に先立って行はれることになっていた事務協議の開催をトランプ大統領が拒否したと報じました。ただこの報道はその後、クドロー国家経済会議(NEC)委員長によって否定されています。委員長はCNBCのインタビューで「今月末のワシントンでの劉鶴副首相との会合が非常に重要であり、決定的なものになるだろう」と述べました。(ブルームバーグ)

 クドロー委員長の言葉のように、この会合は非常に重要なものとなり、米中通商協議の結末がある程度見えてくるのではないかと予想しています。米国にとっては目先の政府機関の一部閉鎖の方が、より深刻な問題かもしれません。閉鎖期間は1カ月にも及んでおり、空港での混乱や、税関での人手不足から輸出入にも影響が出ているようです。このまま閉鎖が続けば、米国のGDPを押し下げることにもなります。昨日のNHKのニュースでは、ワシントンの政府機関に勤める男性がインタビューに応じ、公務員のため政治的な発言は避けたいとしながらも、「たった一人の人間のため自宅待機を強いられ、給与が受け取れず、ローンの返済など、生活が苦しい」とはき捨てるように語っていたのが印象的でした。

 メキシコ国境の壁問題は一旦棚上げし、予算案に署名すれば済む話ですが、トランプ氏はなおも「壁建設」に固執しているようで、現時点で閉鎖解除のメドはたっていません。トランプ氏は1月29日に行う予定であった「一般教書演説」でも民主党との間でもめています。ペロシ下院議長は、政府機関の一部閉鎖による警備上の懸念を理由に演説を延期するよう提案していますが、トランプ氏はこれに反発しており、トランプ氏と下院議長との対立がさらにエスカレートしていると、ブルームバーグは伝えています。

 ドル円は「1時間足」チャートでは1週間ぶりに雲を下抜けしてきました。現在は、雲の下限が上昇を抑える抵抗帯として機能していますが、再び雲の中に入り上昇できるかどうかといったところです。ただ本日は昨日に引き続き、日本株が軟調に推移すると見られ、ドルが売られ易い展開が予想されます。下値では109円台が維持出来るかどうかです。

 レンジは108円80銭~109円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)