ドル円は続伸。米中貿易問題で関税引き上げが回避される可能性が報じられ、株高・金利高にドル円は109円40銭まで上昇。報道はその後否定されたが、ドル円は109円台を維持。ユーロドルは小動き。ドル高の流れが強まったことからやや水準を切り下げ、1.1370まで下落。

 株式市場は3日続伸。米中通商協議の進展に期待が持てるとの観測が株価を押し上げる。ダウは3日続伸で、この間の上げ幅は450ドルを超える。債券相場は4日続落。長期金利は2.75%台まで上昇。金は反落し、原油価格も小幅に下げる。

 新規失業保険申請件数       → 21.3万件
1月フィラデルフィア連銀景況指数 → 17.0


ドル/円   108.69 ~ 109.40 
ユーロ/ドル 1.1370 ~ 1.1405
ユーロ/円  123.89 ~ 124.68
NYダウ   +162.94 → 24,370.10ドル
GOLD   -1.50   → 1,292.30ドル
WTI    -0.24   → 52.07ドル
米10年国債 +0.029  → 2.750%

 
本日の注目イベント

日  11月鉱工業生産(確定値)
欧  ユーロ圏11月経常収支
欧   国際エネルギー機関(IEA)月報
英  英12月小売売上高
米  12月鉱工業生産
米  12月設備稼働率
米  1月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
米  ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
加  カナダ12月消費者物価指数


 堅調な米国株に引っ張られドル円は109円台を回復し、昨日のNY市場では109円40銭までドル高が進み、今年に入って最もドル高水準を記録しました。昨日は「VIX指数」も直近ピークの半分以下となる「18」前後まで低下し、リスク回避の流れが後退し、低金利の円が対ドルだけではなく、主要通貨に対して売らました。目先のドル円のレンジを107-110円程度と予想していますが、その意味ではレンジの上限を試す動きも、ここからが正念場と言えます。

 ドル円を押し上げ、株価上昇の材料になったのは、トランプ政権の当局者が金融市場沈静化のため、対中関税を引き下げる措置を検討しているとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えたことでした。米財務省はその後この報道を否定しており、ドル円も株価もやや軟調な展開になりましたが、「火のない所に煙はたたず」という諺もあり、事実かどうかは分かりませんが、市場は、「米国側にも妥協の余地がある」ということに反応したようです。

 さらに、米中通商協議にも進展が見られそうです。中国の劉鶴副首相が今月30、31日に通商交渉のため訪米し、ムニューシン財務長官やライトハイザーUSTR代表と協議を行うと、中国政府が発表しています。先週北京で協議が行われたばかりですが、間隔を置かずに再度協議を行うことは評価できます。今回の協議は次官級というよりも、交渉の責任者同士が直接話し合うわけで、何らかの解決に向けた筋道が示される可能性もあるのではないかと予想しています。

 米中通商協議の行方にやや明るい見通しも出始めてきましたが、まだ「決裂」といった事態がないとも言えません。景気の鈍化が鮮明な中国は、これ以上景気を悪化させないための施策も準備しているようです。すでに預金準備率の引き下げは実施していますが、1月にはさらに引き下げ、市場への資金供給拡大を狙っています。個人については昨年実施した減税規模に「20兆円上積みする」との記事を、今朝の経済紙が報じています。また中小企業の法人税についても拡充する模様で、2019年度のGDP目標である6.5%を達成するため政府は、これ以上の景気減速を避けるという強い意志を国内外に示しています。

 ドル円の昨日の高値を109円40銭と予想しましたが、「ドンピシャ」でした。これは偶然に過ぎませんが、ここには「4時間足」の「120時間線」があり、さらに「8時間足」の雲の上限もこの近辺にあります。従って、それなりに強いレジスタンスポイントではないかと予想しました。結局テクニカルが機能したということになります。本日も同様に、109円40-50銭が重要な水準と考えます。

 この水準をしっかりと抜け切れば110円台までは目立ったレジスタンスはありません。MACDでは、「日足」でも16日にゴールデンクロスが示現しています。ただ、「日足」で上昇基調を見せるのはまだまだ簡単ではないと思われます。

 本日のレンジは108円60銭~109円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)