ドル円は108円台半ばを挟み底堅い動き。英国議会での混乱にも動意はなく、米国株の上昇に108円77銭まで上昇。英国議会がメイ首相の離脱案を否決したことや、ドラギ発言からユーロドルは下落。1.1387まで売られ、10日ぶりの安値をつける。離脱案が否決されるとの見方からポンドドルは1.26台半ばまで売られたが、採決後急反発。この日の下落分を埋め、1.28台後半まで上昇。

 株式市場は反発。中国が景気対策の実施を表明したことを好感しハイテク株を中心に買いが膨らむ。ダウは155ドル上昇し、ナスダックは117ポイント上昇し、1カ月ぶりに7000の大台を回復。債券相場は小幅に下落。長期金利は2.71%台と、やや上昇。金は反落し、原油は反発。

12月生産者物価指数    → -0.2%
1月NY連銀製造業景況指数 → 3.9


ドル/円   108.33 ~ 108.77 
ユーロ/ドル 1.1382 ~ 1.1455
ユーロ/円  123.39 ~ 124.33
NYダウ   +155.75 → 24,065.59ドル
GOLD   -2.90   → 1,288.40ドル
WTI    +1.60   → 52.11ドル
米10年国債 +0.009  → 2.711%

本日の注目イベント

豪   1月ウエストパック消費者信頼感指数
トルコ トルコ中銀政策金利発表
独   12月消費者物価指数(改定値)
英   12月物価統計
米   12月輸入物価指数
米   12月小売売上高
米   1月NAHB住宅市場指数
米   ベージュ・ブック(地区連銀経済報告)
米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
米   企業決算→ゴールドマン、バンク・オブ・アメリカ、ブラックロック


 事前予想通り英議会は15日、メイ首相のEU離脱案を否決しました。下院での採決の結果は反対432、賛成202で、票差が60未満であれば、EUが内容修正に協力することで合意に達する可能性も残っていましたが、230票差と、この100年で最大の敗北となりました。(ブルームバーグ)メディアはこの結果を「屈辱的な敗北」との表現で伝えています。メイ首相は採決後議員に対して、「下院がこの合意案を支持していないことは明らかだ。しかし、今晩の採決では、下院が何を支持しているのかは分からない」と述べて?います。

 この結果、3月末に期限の来るEUからの離脱は「合意なき離脱」の可能性が高まり、メイ首相への信任がさらに低下することは必至です。ポンドドルは否決を織り込み、1.28台後半からジリジリと値を下げましたが、結果が判明すると急速に買い戻しが進み、ほぼ元の水準を回復し、結局「往って来い」の展開になっています。ユーロドルも同じように1.14台後半から下落し、100ポイントほど売られましたが、戻りは限定的でした。

 ドラギECB総裁は欧州議会で「最近の経済動向は予想よりも弱く、特に世界的な要因に関連する不透明性が依然として顕著だ」と語り、「気を緩めていられる余地はない」と述べています。「域内の価格圧力をさらに高め、総合インフレ率の中期的な展開を後押しするため、大規模な金融緩和が依然必要」との認識を示しました。この発言がユーロの上値を抑えた形になっています。

 ユーロやポンドなどでドル高が進んだ割には、ドル円ではそれほどドルが上昇していません。昨日の東京市場では、株価が上昇したことに伴ってドル高が進み、108円75銭前後までドルが買われましたが、海外市場でもほぼ同水準で上昇が抑えられています。まだ109円台を回復して、さらに110円を目指す展開でもなさそうです。米国では依然として政府機関の一部閉鎖が続いており、米中通商協議でも不透明感は拭い切れません。先週行われた米中次官級協議の内容についても、ライトハイザーUSTR代表に近い議員は、同氏が、「知的財産権侵害など、重要課題についてはほとんど進展が見られなかったと述べた」と語っています。ただ交渉期限が1カ月半後に迫っていることもあり、両国とも前向きに協議を続ける意向のようです。

 本日も材料に乏しく、ドル円は108円台での推移に終始すると予想されます。レンジは108円10銭~109円程度といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)