ドル円は欧州市場で一時108円割れがあったが、NY市場では小動き。108円台前半で推移し、株価の下落に108円05銭までドル安が進むユーロドルは反落。ユーロ圏の経済指標が悪化していたことを手がかりに、1.1454まで下落。株式市場は続落。中国景気の鈍化を嫌気し売りが先行する展開に。ダウは86ドル下げ、ナスダックも65ポイント下落。債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.70%台で推移。金は続伸し、原油価格は続落。



ドル/円108.05 ~ 108.35 

ユーロ/ドル1.1454 ~ 1.1481

ユーロ/円123.87 ~ 124.34

NYダウ-86.11 → 23,909.84ドル

GOLD+1.80 →1,291.30ドル 

WTI -1.08 → 50.51ドル 

米10年国債 +0.005→ 2.706%

 
本日の注目イベント

欧  ユーロ圏11月貿易収支
欧  ドラギ・ECB総裁講演
米  12月生産者物価指数
米  1月NY連銀製造業景況指数
米  企業決算 →  JPモルガン、ウェルズファーゴ


 ドル円は昨日の海外市場では再び108円台を割り込む場面があり、上値の重い展開になっています。短期的な動きを示す「1時間足」では、再び「雲」を下回り、「雲」が上昇を抑える形を示してきました。米国では、トランプ大統領が依然としてメキシコ国境での壁建設にこだわり、米政府機関の一部閉鎖は過去最長になっています。市民生活や行政にも支障が出ているとの報道もあります。

 米政府機関の一部閉鎖はさらに数週間続くとの見方があることに加え、昨日は米国、あるいはドルにとっても悪材料が噴出しました。昨年11月にカリフォルニア州で発生した山火事は同州史上最悪の被害をもたらしましたが、その出火原因の可能性について調査が行われており、カリフォルニア州の公益法人PG&Eは連邦破産法11条の適用を今月29日前後に申請することを発表しました。(ブルームバーグ)同社は2017年に発生した山火事に関連した費用も負担する可能性があり、債務は300億ドル(約3兆2400億円)を上回るとの試算もあります。

 12月の中国の貿易収支が中国景気の悪化を示すものだったことで、世界景気への影響を懸念し、ドルが売られ、米株式市場下げの原因の一つにもなった模様です。12月の貿易収支は、輸出入ともに市場の予想を下回るものでした。好調だった国内での自動車販売にもブレイキがかかり、昨年の新車販売は28年ぶりに前年実績を下回っています。昨日はさらに米企業決算発表の先陣を切ってシティーグループが決算を発表し、利益目標には届かず厳しいな内容でした。M&Aなどの部門が好調だったことで株価は上昇していますが、今週は大手米銀の決算発表が続き、株価への影響度も大きくなると見られます。

 FRBのクラリダ副議長は14日、FOXビジネス・ネットワークとのインタビューで2019年の利上げ回数は、前回のFOMCで予測された2回よりも少なくなる可能性があると述べました。副議長は「米金融当局は極めて辛抱強くなれる」と述べ、米経済については「近い将来にリセッションは予想していない」と語っています。24日目に入った政府機関の一部閉鎖に関しては、影響を受けた省庁が準備する一部データの公表に支障が出ているものの、米金融当局による経済情勢の追跡力を妨げると思わないと、付け加えています。(ブルームバーグ)

 FRBによる利上げ停止観測から米株価が反発し、ドル円も104円台の悪夢から立ち直り109円台まで反発しましたが、この材料はすでに市場は織り込んだものと思われます。足元のメキシコ国境の壁問題が目先の懸念材料ですが、今後は徐々に米中貿易問題へと注目が移ると思われます。さらに2回目の米朝首脳会談の実現や、日ロ首脳会談も為替に影響を及ぼす可能性があります。この辺りにも注意を払いながら、本日のドル円は107円70銭~108円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)