8日に発表された独11月鉱工業生産は前月比-1.9%と予想外の落ち込みを記録。10日に発表された仏11月鉱工業生産も前月比-1.3%に落ち込んだ。10日の欧州中銀(ECB)議事録でも触れられたとおり、ユーロ圏域内の景気減速が現実味を帯びてきた。

 なお、ECB議事録では長期資金供給オペ(TLTRO)の復活=量的緩和再開の可能性にも言及していた。ECBが模索していた今年後半の利上げは棚上げとなる公算が大きくなっている。足元の為替市場では米利上げ休止観測を受けたドル売りが主流だが、いずれかのタイミングでECBの利上げ期待剥落によるユーロ売りに転換しても不思議ではない状況と言えるだろう。本日発表される米12月消費者物価指数はドル買戻しのきっかけになる可能性を秘めている重要統計につき注目しておきたい。

 なお、市場予想は前月比-0.1%、前年比+1.9%とやや控えめだが、エネルギー・食品を除いたコア指数は前年比+2.2%となっている。その他、来週15日に予定されている英国の欧州連合(EU)離脱=Brexitに関する協定案の英議会採決への不透明感もユーロの重しとなる可能性がある。メイ英首相の説得でも議会内には依然として反対派が多い模様であり、関連報道には注意が必要だろう。ユーロ/ドルは、10日高値の1.1570ドル前後で当面の天井を付けた可能性もあると考えられる。

(執筆:外為どっとコム総合研究所  編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)